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1988 年度 実績報告書

オレフィン類のエポキシ化触媒の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 61850154
研究機関九州大学

研究代表者

松田 義尚  九州大学, 工学部, 助教授 (10037757)

研究分担者 盛満 耕造  出光興産, 中研, 研究主任
久枝 良雄  九州大学, 工学部, 助教授 (70150498)
キーワードポルフィリン錯体 / エポキシ化反応 / 三重項ラジカル対 / 軸配位子の反応 / 光化学活性化 / 時間分解ESR / ニオブ / モリブデン
研究概要

1.軸方向配位結合の光開裂の検討. ニオブ(V)ポルフィリンのトリーμーオキソ2量体に対して、ベンゼン中で355あるいは532nmの光で励起し、反応を時間分解ESRで追跡した。嫌気条件下では、生成、消滅時間の異なる2種類の三重項に基づく信号が検出された。早期に検出される種(三重項A)は、パルス照射の後約400nsの間に生成、消滅が終了する。これに対して後期に検出される種(三重項B)は生成時間が約400nsで、三重項Aより低磁場に幅広い信号として観測される。好気条件下では、同様な実験によって三重項Aのみが観測された。軸方向にカテコールが2座配位した錯体では嫌気条件下及び好気条件下で、三重項Aのみが観測された。連続光照射によれば、トリーμーオキソ2量体は好気条件下に超酸化物錯体を与え、嫌気条件下では光反応を受けない。またカテコール錯体も連続光照射で反応しない。以上の結果より、軸方向配位結合の光開裂は、電荷移動三重項、三重項ラジカル対を経て進行すると結論された。さらに、エポキシ化反応の活性種は、三重項ラジカル対(Nb(IV)^・O)と分子酸素の反応によって生成することが示された。
2.配位性添加物の効果. ニオブ(V)錯体のベンゼン溶液に対して、フェノール、アルコールなど酸素を配位原子とする配位性分子あるいはピリジン、ピペリジン等窒素塩基を添加した際の反応を可視スペクトル、ESRスペクトルによって追跡した。この結果、フェノール類はニオブに強く配位しそれ自身が酸素化されるため反応を阻害することが明かとなった。またアルコールは超酸化物の生成反応は阻害しないが、基質〜超酸化物の反応の拮抗阻害剤となることが示された。これに対して、窒素塩基の添加は、活性種再生過程に対して影響を与えることが確かめられた。この結果からも1に示した反応過程が支持された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshihisa Matsuda: Chem.Lett.1988. 625-628 (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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