研究概要 |
1.天然のSThの短鎖アナログ,STh(2-19),STh(3-19),STh(4-19)およびSTh(6-19)を化学合成し、これらの短鎖アナログがELISAの固相として有効に使用できるかどうかを合成STh(1-19)と比較検討した。その結果、短鎖アナログが効率が極めて悪いことがわかった。 2.短鎖アナログの固相としての効率が悪い理由は、固相としてマイクロタイタープレートに吸着する効率が悪いことに起因することがわかった。 3.STh(6-19)のN末端に疎水性の高いアミノ酸を統合することによって、マイクロタイタープレートへの吸着性が高まることが考えられたので、Gly-STh(6-19),Pro-Pro-Gly-STh(6-19),Leu-STh(6-19),Leu-Gly-STh(6-19),Norleutive-STh(6-19)を化学合成し、吸着性を【ST(_l^0)】(1-19)と比較した。その結果Norleutive-STh(6-19)の吸着性がもっともよかったが、STh(1-19)に比較すると悪かった。4.従来ELISAに使用していた単クローン抗体【-8G-7】は、SThのC末端Tyrを認識する抗体であるが、新たに8番目と9番目(N末端から)のGlu-Leuを認識するモノクローン抗体53-4を調製した。 5.53-4をhorse radish peoxidaseにconjugateしたHRP-53-4を調製し、これを用いて、competitive ELISAの系を開発した。固相には、STh(6-19)と牛血清アルブミンをconjugateした標品を用いた。 6.開発したcompetitive ELISAの系は、感度よくSTを検出することができた。WHO1-200の200粁のE.coliを用いて行ったスクリーニングテストでも、結果が乳のみマウスを用いた系の成績とよく一致した。
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