研究分担者 |
野副 重男 東北大学, 薬学部, 教授 (50013305)
小暮 久也 東北大学, 医学部, 教授 (20133936)
多田 啓也 東北大学, 医学部, 教授 (20046907)
松沢 大樹 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (10006108)
鈴木 二郎 東北大学, 医学部, 教授 (50004536)
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研究概要 |
本研究は神経活性物質と脳機能との関連について、多核種オートラジオグラフィー,ポジトロントモグラフィー,代射解析などの手法を多元的に組合せて、薬剤の機作,代謝動態,神経レセプター分布変化,存在量の定量を行ない、且つこれらの値について精神発達遅滞,脳腫瘍,脳血管障害,加令(老化),生理的刺激,薬物効果等の関連によって起る変化をとらえ、神経活性物質の機作,脳機能を総合的に解析することを目的としており、特にポジトロントモグラフィーを脳の機能の解明に展開できる臨床診断法を開発し、ポジトロンで標識した神経活性物質を用いてそのレセプターとの相関において中枢相互間の連係,及び情動の機作を多元的に解析し、これまで脳の機能に関する推論を実証しようとするものである。 本年度は、本研究の中心となるポジトロン薬剤の開発に重点がおかれ、新たに標識合成のための【^(18)O】【(P,n)^(18)】F反応のターゲット系が検討され、実用レベルの製造が可能となった。これを利用した標識法として〔【^(18)F】〕フルオロアルキルトシレートが新たな標識試薬として開発された。これにより〔【^(18)F】〕Nエチルフルオロノルフルジアゼパム(ベンゾジアゼピンアゴニスト)が標識され動物実験に供された。また、ドパミンレセプターに関しては、パーキンソン病の診断に〔【^(18)F】〕6-フルオロドーパが製造され、臨床応用計画が進行している。選択的【D_2】アンタゴニストであるYM-09151-2を【^(11)C】で標識することに成功した。これはスピロペリドールと同等とのレセプター結合性を示し臨床応用に有望であることが判った。一方定量的オートラジオグラフィーによる手法の開発が進められ、ラット脳で血流像とグルコース代謝像での画像間演算のプログラムが完成し、代謝率定量化による解析が可能となった。さらに【^(45)Ti】,【^(48)V】等の微量元素の脳内動態について血清蛋白との関連について調べられたが血清アルブミンと結合し脳への移行は低かった。
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