研究分担者 |
大村 浩久 九州大学, 農学部, 教授 (40038154)
山添 康 慶応大学, 医学部, 講師 (00112699)
葛西 宏 国立がんセンター研究所, 研究員 (40152615)
佐藤 茂秋 国立がんセンター研究所, 部長 (00076994)
及川 淳 東北大学, 抗酸箘病研究所, 教授 (40076980)
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研究概要 |
蛋白性食品の加熱によって生じる変異原物質上Q,MeIQなどのアミノアザアレン類は, 代謝活性化系存在下に微生物に変異原性を示す. 酸性条件で亜硝酸と反応して, 代謝活性化系を必要としない変異原に変換することが明らかになった,アミノ基がニトロ基にかわることが示された. MeIQをラットに投与するとジニバル腺,口腔,大腸,皮膚,乳腺にがんを発生し,マウスとは標的臓器が異なッていた. ハルマン,ノルハルマンの癌原性試験が進行中である. 放射能で標識した3ーアミノハルマンを合成して代謝活性化系存在下でDNAとの結合性を調べ,TrpーPー2と比較した. 3ーアミノハルマンは変異原性は弱いが, DNAと共有結合は生じる反応性はより高いことが判明した. 酸素ラジカルによるDNA損傷,8ーヒドロキシグアニンが,不飽和脂肪酸の自働酸化物で起る. ラットの腎発癌物質である臭素酸カリウムがリノレン酸メチルと共存すると,脂質の過酸化を促進して8ーヒドロキシグアニンの生成を促進した. この反応は金属キレート剤,カテキン,ケルセチン,あんずの抽出物などで阻害される. 癌原性ヘテロサイクリックアミンの活性化に関与しているアセチル転移酵素がハムスターの肝より2種類精製され,その性質が調べられた. 魚を種々の方法で加熱したとき高い変異原性の生成を示したホットプレート上で加熱調理したタラについてヘテロサイクリックアミンの定量が行れ, PhIPが最も量が多く続いてMeIQが多かった. 糖類の加熱により生じるメチルグリオキザールはH_2O_2存在下にDNAと反応して,DNAに付加体を生じた. アミノクルボニール反応で生じる5ーハイドロキシメチルフルフラールはレダクトンの類縁化合物で,変異原性をin vivo,in vitroで示した. 羊肉を焼いたものが亜硝酸処理によッて変異原性がより強くなるので,亜硝酸処理で変異原性になる物質の精製が進行中である.
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