研究分担者 |
上林 純一 大阪大学, 医学部, 助手 (40135687)
宇野 功 東京大学, 応用微生物学研究所, 助教授 (60114401)
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
石井 信一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90001031)
上代 淑人 東京大学, 医科学研究所・化学研究部, 教授 (90012690)
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研究概要 |
カルシウム依存性酵素の構造と活性調節機構の研究を行った. 1.カルシウムプロテアーゼ(CANP)についてはそのインヒビターも含めて構造決定を終了し, 構造の知見にもとづき活性調節と生理機能の研究を行った. 種々の生体膜を使ってCANPがプロ酵素から活性型に変換するときの構造変化, 変換の過程, 変換に伴う酵素活性の変動について解析を行った. 活性化の過程は3段階あり, 基質の存在下ではむしろ活性化は促進されN末端側のプロペプチドメインが切断されることが判明した. 2.GTP結合タンパク質の機能の解析のため, 昨年までに種々のGタンパク質の構造を決定したが, 本年度はヒトのGタンパク質の遺伝子構造を解析した. Gsの遺伝子は13個のエキソンからなるが, スプライシングの異なる部位が2ヶ所あり, 1つの遺伝子から4個のGsタンパク質が生じる. Giタンパク質の遺伝子は3種類あり, それらに対応する3種の分子種がある. GiとGsでは遺伝子構造が酷似していた. 酵母でも2種類のGタンパク質を見出し, 小僧を決定した. これらGタンパク質を密接に関係するリン脂質を解析を進め, 細胞周期との相関を明らかにした. 3.ホヤの受精時のプロテアーゼ, 情報伝達系の挙動を調べ, ホヤでも細胞内カルシウムの上昇, ホルボールエステルによる活性化, カルモデコリンインヒビターの阻害効果などが見られることを明らかにし, 検討している. 4.血液凝固系の解析では, プロトロンビン第IX因子の解析を行い, 血液凝固系に異常を示す患者のアミノ酸配列を決定した. 変異によるアミノ酸置換で第IX因子の限定分解による活性化がおきないことが原因と判明した. 5.ホスホリラーゼキナーゼなどのキナーゼのATP結合部位を親和標識で解析し, キナーゼ類のATP結合部位のアミノ酸配列部位がよく似ていることを明らかにした.
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