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1988 年度 実績報告書

記号系活動の成立機序-実験審理学的・障害学的アプローチを通じて-

研究課題

研究課題/領域番号 62301014
研究機関東京大学

研究代表者

鹿取 廣人  東京大学, 教養学部, 教授 (80012300)

研究分担者 渡辺 武郎  東京大学, 教養学部, 助手 (90210913)
長谷川 寿一  帝京大学, 文学部, 助教授 (30172894)
鳥居 登志子  日本女子大学, 児童研究所, 研究員 (70060671)
河内 十郎  東京大学, 教養学部, 教授 (30083710)
鳥居 修晃  東京大学, 教養学部, 教授 (50015012)
キーワード言語行動 / 脳損傷 / 失認 / EOG / 先天盲開眼受術者 / 発達遅滞 / 眼球運動 / 視覚認知機能 / 脳波 / 知覚
研究概要

言語信号系のみならず、自成信号系、身ぶり信号系などの種々のレベルのコミュニケーション行動と、知覚・認知行動とを支えている基礎的過程としての記号系活動の成立のメカニズムを明らかにし、それを通してコミュニケーション行動と知覚・認知機能との相互作用を解析しようとして、コミュニケーション行動、および知覚・認知機能に種々の障害をもつ子例について、その障害の様相を把握するとともに、その療育的働きかけによる行動の改善の過程の分析が試みられた。
本研究ではそのため、(1)発達遅滞児、(2)開眼受術者ないし弱視者(3)自閉症児、(4)脳損傷者、(5)重症心身障害児、などの各種の障害事例について、(1)言語行動の遅れに伴って視覚的な認知機能が未文化な障害児に対して、注視機能・視覚的探索活動の発達過程や2次元的幾何図形、絵の理解の学習過程を分析する、(2)開眼受術者と弱視者について、その視空間の成立過程を追跡する。(3)自閉症者に対して母親との二方向的コミュニケーション行動の成立のための前提条件を、昨年の成果をふまえてさらに確定する、(4)失認、とくに純粋失読および交叉性失語などの脳損傷者に対して、その行動特性の分析を基に認知成立の条件を明らかにし、損傷部位との関連について検討する、(5)重症心身障害児に対しては、とくに能動的行為における信号的特性の機能を明らかにする、などの研究が各班で行われた。またそれに付随して昨年に引き続き、視覚的認知機能解明のための基礎データとして、健常成人を被験対象にして、EOGやtopographic mappingなどを用いて眼球運動やさらに視覚的探索活動の発達過程の解析を進めて視覚認知障害との関連を明らかにしつつあるとともに、言語記憶、その他の心的機能と左右大脳半球差との関連を示唆する結果を得た。上述の障害事例による結果と併せて、これらの基礎データは脳の機能障害の分析に利用しうる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 鹿取廣人: 失語症研究. 7. 11-16 (1987)

  • [文献書誌] 鹿取廣人: 心理学評論. 30. 1-6 (1987)

  • [文献書誌] 鳥居修晃: 東京大学教養学部人文科学科紀要. 86. 39-82 (1987)

  • [文献書誌] 鳥居登志子: 心理学評論. 30. 49-84 (1987)

  • [文献書誌] 河内十郎: 理学療法と作業療法. 21. 249-255 (1987)

  • [文献書誌] 河村満: Neurosurgery and Psychiatry. 50. 1125-1129 (1987)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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