研究分担者 |
岸本 雅敏 富山県埋蔵文化財センター, 主任
橋本 澄夫 石川県立埋蔵文化財センター, 所長
広岡 公夫 富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
櫛木 謙周 富山大学, 人文学部, 助教授 (60161626)
宇野 隆夫 富山大学, 人文学部, 助教授 (70115799)
|
研究概要 |
1.研究会活動 5回にわたって古代手工業生産に関する研究発表会を開催した. 第1回は研究分担を明確にし,それぞれの分野で北陸地域の様相をまとめ,他地域と比較することを申しあわせた. 第2回は塩生産についておこない,7世紀末8世紀初に平底の大型製塩土器が広まり,各地に塩業が展開することが明らかにされた. 第3回は富山県立山町上末窯の調査成果について討論した. その内容は2を参照されたい. 第4回は鉄生産についておこない,塩と同様に7世紀末・8世紀初め頃に,鍛鉄生産が広まること,9世紀に鋳鉄生産が広まることが明らかにされた. 第5回は窯業生産についておこなった. その結果,7世気初めから11世紀中頃までを古代的と把握できること,9世紀を境にして前半と後半に二大別できること,前半期は須恵器主流,後半期は黒色土器と土師器が主流となり大きな様相差のあることが明らかにされた. 2.発堀調査活動 研究を進める上で有効と判断した富山県立山町上末釜谷3号窯(須恵器窯)の発堀調査を実施した. その結果,9世紀後半から10世紀初めに至る5回の操業を確認して,古代の前半期から後半期への展開過程を考えるための良好な資料を得た. 基本的には,多種集中大量生産から少種分散少量生産に展開しつつあったと判断している. 現在その詳細なデータを作成中である. 3.今後の活動 従来の研究会活動を続けるとともに,自然科学と文献史の研究成果を含めて,総合的な研究をめざす. また生産遺跡に加えて消費遺跡を調査して,相互の関係を解明したい.
|