研究分担者 |
坂井 昭宏 千葉大学, 教養部, 教授 (20092059)
横山 雅彦 神戸大学, 教養部, 教授 (70031367)
佐藤 三夫 千葉大学, 教養部, 教授 (30094973)
伊東 俊太郎 東京大学, 教養学部, 教授 (80012277)
前田 達郎 新潟大学, 教養部, 教授 (90018557)
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研究概要 |
研究分担者による分担分野の調査研究は,それぞれ作業が進行中であり,研究文献目録も作成段階に入った. 次年度まとめて整理される予定である. 研究会は2回開催され,カルダーノの自然像について新しい知見が得られたほか,16世紀イタリアにおける学部門論争の中に含まれる自然認識についての専門分野間の相違について明らかにされた. この問題はこれまで明らかにされていなかったものである. 14ー15世紀におけるマートン学派やパリ学派の自然研究とガリレオの自然研究について,両者の自然認識の方法や枠組みの相違および関係が明らかにされた. さらにガリレオの自然像の受容や周辺の自然像について,デラ・ポルタやカンパネラの自然像も明確になった. さらに,デカルトの自然像についての最近の研究成果を共通のものにしたほか,最近研究が進んでいるメルセンヌの自然観についても新たな認識が得られた. 研究会においては,とくに科学史研究者と哲学史研究者の間にある関心や見解や方法の相違が浮彫りにされ,今後の共同研究推進のうえでの不可欠な基礎が得られた. 当該研究課題における専門の異なる研究者間にこのような討論はこれまでなかったことで,熱心な討論が行なわれ,きわめて有益な機会であったことは参加者全員の認めるところであった. また,近代科学成立期における自然像の研究においては,当時の宗教思想と音楽理論の研究が不可欠であることがあらためて確認され,とくに後者については今後さらに研究を進めるべき重要課題であることが共通の認識となった. 設備備品としては,ルネサンス研究の古典である"Travaux d'hmmanismeet renaissance"(DRoz)のセットとコンラッド・フォン・ゲスナーのLexiconを購入した.
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