研究課題/領域番号 |
62302017
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
行武 毅 東京大学, 地震研究所, 教授 (90012898)
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研究分担者 |
本蔵 義守 東京工業大学, 理学部, 助教授 (00114637)
浜野 洋三 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90011709)
安川 克巳 神戸大学, 理学部, 教授 (20020084)
住友 則彦 京都大学, 教養部, 教授 (30026687)
宮腰 潤一郎 鳥取大学, 教養部, 教授 (60032116)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 電気抵抗 / 低比抵抗層 / 電気伝導度 / 電磁誘導 / 下部地殻 / 電気伝導度異常 / 誘導ベクトル / 地磁気変換関数 |
研究概要 |
昭和56年度から東北日本、中部日本などで全国大学・研究機関による共同観測を実施し、日本列島の電気抵抗構造の研究を進めてきた。その結果、東北日本や中部日本では、下部地殻に低比抵抗域が広がっていること、日本列島に沈み込む海洋プレートの下に低比抵抗層の存在すること、などが次第に明らかになってきた。 日本列島の電気抵抗構造の全体像を掴むには、いままで大規模な観測の行われたことのない西南日本で、海陸両域での観測を実施する必要があった。今回の研究計画では、四国海盆から南海トラフを横断して、四国・中国地方にいたる側線上で観測を実施した。予想された通り、四国・中国地方とも地殻下部に低比抵抗域が広がっているらしい。四国地方には中央構造線など何本もの構造線が東西に走っていて複雑な構造をしている。それに応じて電気抵抗分布もまた複雑になっている。このような電気抵抗分布は地殻のなかに含まれる水に大きく左右されていると考えられる。水の存在はまた岩石の力学的性質にも影響を与え、低比抵抗層では地震が少なく、高比抵抗体で地震が発生している、という対応関係が見られる。 いっぽう、大規模な深部構造の解析となると、地磁気変化の長周期成分から導いたインダクションベクトルが重要である。東北日本や中部日本ではインダクションベクトルは海岸線と直交して海の方を向くが、中国・四国地方では長周期変化になると、海岸線やこの地域の構造線とほぼ平行な西南西方向を指すことがわかった。これは九州地方のインダクションベクトルの傾向と一致している。おそらく九州より西に太平洋とおなじくらい大きな影響を地磁気変化におよぼす構造があると推定される。今後の大きな研究課題である。
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