研究課題
総合研究(A)
本報告書には、先ず、超高層物理分野での海外調査の過去の足跡が一目してわかるように表にまとめてある(第1章、§1)。その各調査隊の概要は§2に収録してある。この概要のみからでも種々のことが読みとれるが、各調査隊の詳細を知ろうと思えば、記載されている文献などを手がかりに糸を手繰ればよい。いままで海外調査を体験してきた各機関は、それぞれ物理学上の問題点を抱えている筈である。これが第2章に述べられている。歴史をひもとくと、計測機器の発達が海外調査の行動様態の発展に連なっていることがわかる。現在の計測機器の最大の問題の一つは記録装置である。長期の記録を必要とし、サンプリングレートの高い記録機器(つまり、超大容量記録機器)はまだ実現していないが、比較的低サンプリング(1秒程度)でもよい地磁気部門の大容量記録装置(データ・ロガー)の実現は、将来が見える距離にある。本報告では、この地磁気観測のためのデータ・ロガーに重点をおいて現状報告を収録した(第3章)。必ずしも満足すべきものではないが、現状を把握できるとおもう。第4章には、日本を含む世界観測についての計画の現状が紹介されている。第5章では、それぞれの機関がもつ物理学上の問題点を解決するための、将来の計画が述べてある。このすべてが実現するものでもないであろうが、何年の後にどれほど実現したかを見るのもまた面白い。本報告書は、南極など特別事業費によるものを除き、対象を科学研究費レベルの海外調査に限った。
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