研究課題/領域番号 |
62302060
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西永 頌 東京大学, 工学部, 教授 (10023128)
|
研究分担者 |
赤崎 勇 名古屋大学, 工学部, 教授 (20144115)
武居 文彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60005981)
八木 克道 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016072)
小松 啓 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00108565)
黒田 登志雄 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70080447)
|
キーワード | 結晶成長理論 / 核形成 / 原子的ステップ / ステップの動力学 / ステップ運動のその場観察 / エピタキシャル成長 / モンテカルロシミユレーション |
研究概要 |
本総合研究は2年目に入り、各々分担テーマに関し、理論的・実験的研究を行なった。 結晶成長理論の精密化に関しては、成長形態がどのようなメカニズムにより決定されて行くかにつき、樹枝状成長を例にとり精密計算機シミュレーションを行なったこと、融点近くでの融液成長の場合存在が示唆されている疑似液体層内での拡散を理論的にあつかったこと等をあげることができる。核形成の問題に関しては、二元系における界面張力の曲率依存性をとり入れる試みを行なった。原子的ステップの振舞に関しては、先ずステップの形態に関する理論的研究から始まり、ステップ間相互作用およびステップ源の固定、原子ステップ移動の直接観察等を行なった。特に、完全結晶が容易に得られるシリコンを用い、溶液成長時、ステップがどこから供給されるかを調べた。それによるとステップ源としては二次元核、らせん転位、基板の三種類があり、成長条件によってこれ等のうち一つが優性となることが示された。 結晶成長のその場観察としては、氷の気相成長で結晶表面に形成されるステップの移動を直接観察すること、水溶液中での結晶成長表面のステップ移動を微分干渉顕微鏡および位相差顕微鏡でその場観察すること等を行なった。これに加え、超高真空下での結晶表面を原子レベルで観察するため電界イオン顕微鏡を用いて調べたこと、超高真空電子顕微鏡を用いて成長表面のステップ構造を調べたこと等を挙げることができる。 エピタキシャル成長機構に関しては実験的・理論的研究を行なった。先ずモンテカルロ法を用いた分子線エピタキシ法のシミュレーションから始め、アモルファス層からのエピタキシ,グラフォエピタキシ機構、電子線、X線を用いた欠陥の評価と成長機構との対応について研究を行なった。
|