研究分担者 |
河野 恭広 名古屋大学, 農学部, 助教授 (90023407)
渡辺 和之 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10143190)
津野 幸人 鳥取大学, 農学部, 教授 (00036287)
中世古 公男 北海道大学, 農学部, 助教授 (80001452)
山崎 耕宇 東京大学, 農学部, 教授 (30011878)
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研究概要 |
各研究者が従来手掛けてきた各種作物を使用し,種々な環境条件下で研究を進め以下の結果を得た. ダイズの出液速度は,生育に伴って変化し根の老化と関係し生育後半に著しく減少すること,また根粒形成の有無と直接関係がないことを認めた(石原). 水稲の葉および根系の量的関係の生育時期別変化を解析し,出葉転換期以降根系の生長が葉に比較して旺盛になることを見出した(山崎). ダイズの栄養生長期における連続エスレル散布によって,茎葉の形態,分枝の発達,群落構造および形態が著しく変化し,これらの変化は生育パターンや収量の多少と密接に関連していることを明らかにした (中世古).イネの節間における維管束の微細構造を電子顕微鏡によって観察し,光合成産物の長距離転流の主体は木部寄りの小型節管・伴細胞複合体が担っており,大型節部・伴細胞複合体は節間伸長停止後スクロースの貯留所になっているものと推察した(長南).ラッカセイの下胚軸径の発達を制限すると,根量が減少し地上部の生育が著しく抑制されることを見出した(渡辺).緻密度の異なる土壌中でのリクトウ,ハトムギ,トウモロコシ,モロコシの種子根の伸長速度は,単純に土壌孔隙の大きさと根径との大きさとの対応関係で律せられるのではなく,種間差があり,地上部の生育もそれに対応していることを認めた(河野).日本と中国の多収性品種の乾物生産過程の比較を行い,多収性品種は穎花数が多いことに加えて,乾物生産能力が高く,この性質は,葉の光合成能力だけでなく,受光態勢,茎葉根の発達の相互関係に密接に関連していることを見出した(県).根と地上部の生長の相互関係を植物ホルモン,出液中のアミノ酸組成などから検討した(折谷).ダイズにおける蒸散速度,光合成速度およびその相互関係を温度,湿度を変えて追究し,これらの変化は根部の呼吸速度と密接に関連することを認めた(津野).
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