研究課題/領域番号 |
62304031
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大村 裕 九州大学, 名誉教授 (30019517)
|
研究分担者 |
小野田 法彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (60106903)
堀 哲郎 佐賀医科大学, 教授 (00022814)
小野 武年 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50019577)
山下 博 産業医科大学, 教授 (00030841)
新島 旭 新潟大学, 名誉教授 (20018287)
|
キーワード | 化学感受性ニューロン / 海馬方向選択ニューロン / 脳Na利尿ホルモン / セロトニンEC細胞 / 嗅細胞 / 脳移植 / 免疫サイトカイン / 不斉合成 |
研究概要 |
情動行動発現のための出力様式及び外界情報の入力系、末梢及び中枢受容器による体液性内部環境の情報処理、視床下部辺縁系による自律神経制御、本能行動を誘起する生理活性物質等の項目に渡って検討した。大村はサル視床下部外側野及び扁桃体のブドウ糖感受性ニューロンは非感受性のと異なり、味や匂い化学情報を統合していること、小野は特定方向からの呈示刺激に対し、サル海馬には選択的応答ニューロンが存在すること等を明らかにした。小野田はウサギ嗅上皮をモノクロナル抗体を用い染色し、胎生期に嗅細胞の軸索は脳へ接合すること、細胞体の嗅上皮深層への移行に伴い樹状突起が発達してくること等を確認した。山下はリューモルフィン、BNPが視床下部視索上核ニューロンを介し、体液の恒常性維持に直接作用することを同定した。木村は視床下部外側野破壊後、ラット腸上皮細胞に萎縮が生じるが、セロトニン分泌細胞の形態及び同含量は不変であることを見出した。川村は同腹内側核を破壊し胎令13-19日ラット腹内側核を移植した。β-エンドルフィン、サブスタンスP、セロトニン陽性線維やグルコース感受性ニューロンの存在を確認し、摂食量の減少を認めた。堀は脳オピオイド系はNK活性を制御し、IL_1、α-IFN、TNFが視床下部温度及びブドウ糖両感受性ニューロンに作用することを明らかにした。酒井は摂食調節物質ZB40の不斉合成に成功し、大量合成への道を開いた。新島は同物質が内臓交感神経活動を促進させ、肝・門派系迷走神経の求心性活動を抑制する等を明らかにした。矢内原はグルカゴン前駆体(37アミノ酸残基)のNまたはC末端を欠く7種類の関連ペプチドの合成に成功した。生理活性はアミノ酸残基〔7-35〕が最も高く、〔7-35〕〜〔7-37〕ペプチドがentero-insul in axisに関与する可能性を示した。中川は低グルカゴン血症の実験モデルで蛋白質摂取率が減ることから、グルカゴン性蛋白質摂取調節を提示した。
|