研究概要 |
1.本年度は平板翼先端より剥離した剪断流が平板上面にまき上がり,壁面との千渉によって下流で再び平板壁面に付着してつくる剥離泡の内部流れ場を1台のレーザ:ドップラー流速計によって測定した, その結果以下の知見を得た. (1) 剪断流の乱流への遷移とその後の乱れ成長は,剥離点直後から強く, 乱れ最大位置は剥離泡の前半にある. これは翼型上に見られるいわゆるshort bubble型の層流剥離泡の場合とは非常に異っており,特徴的である. (2) 剥離泡内部には復数個の渦が存在するらしく,測定された剥離泡外線の流速にも,又,平板表面にそった流れの逆流の割合(逆流率)の測定結果にも特異な分布が認められる. 2.自由剪断流の二点速度相関を測定するための準備は以下のように進れられている. (1) 二点相関を測なための二台目のレーザ・ドップラー流速計一式を発注購入し,組立調整を行った. (2) 同上装置使用の為のトラバース装置を設計し,部品の発注購入をすまし,製作組立作業を継続している. (3) 二台のレーザ・ドップラー装置を同時使用した二点相関測定の為の計算機インターフェースと処理プログラムの開発に着手. (4) 実験室を含む建屋の政修工事のために風洞を昭和62年12月に解体し,約1年間はそのまま使用不能となった為に,二点相関の測定開始は予定を変更し,来年度は測定システムの整備を主とすることにした.
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