研究課題/領域番号 |
62450012
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三宅 和夫 北海道大学, 教育学部, 教授 (70000627)
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研究分担者 |
陳 省仁 北海道大学, 教育学部, 助手 (20171960)
臼井 博 北海道教育大学, (札幌分校)教育学部, 助教授 (90070119)
CHEN Shin-jen Hokkaido University
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 乳児期 / 気質 / アタッチメント / 幼児期 / 行動発達 / 縦断的研究 |
研究概要 |
出生後3歳5カ月までの気質的特徴・母へのアタッチメント・母子相互作用についての縦断的資料が先行研究によって収集され分析されている20余名の幼児について、5歳9カ月と6歳10カ月において社会情動的発達を中心とした資料を家庭訪問・実験室での観察ならびに幼稚園教師への面接により収集し、乳児期より就学前期までの発達過程における先行因-後続変数の関係について検討し、およそ下記のようなことを明らかにした。 1)これまでアメリカにおいてSroufeらが行った研究では、12カ月時にストレンジ・シチュエ-ションによるアタッチメントの分類がA・Cであったいわゆる不安定な愛着を示す子どもは、安定した愛着(B)を示す子どもとくらべて幼稚園などの集団場面で社会情動的不適応を示す行動特徴が目立つと報告されているが、本研究ではそのようなA・C対Bという比較による差は見られなかった。これはストレンジ・シチュエ-ションによるABC分類によって愛着の安定・不安定というラベルづけをすることがすくなくとも日本においては適当ではないことを示唆する。また、12カ月以後の発達過程において異なる文化的影響があるという可能性も考えられよう。 2)3歳5カ月において母から容易に分離できるかどうかということが、5〜6歳台における社会情動的適応性と関係があることが明らかとなった。この点においてもSroufeらの結果とくらべてやや時間的におくれており文化差の存在が考えられる。 3)5歳9カ月における行動抑制傾向と3歳5カ月のそれとの間にはかなりの安定性が見られたが、2歳3カ月と5歳9カ月の間ではとくに非抑制的傾向の者が抑制的傾向に変化するということが目立ち2歳から3歳における変化の存在が示唆される。
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