研究課題/領域番号 |
62460018
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
伊藤 栄彦 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30025332)
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研究分担者 |
村上 明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60039253)
豊島 耕一 佐賀大学, 教養部, 助教授 (50131769)
小林 茂治 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (00039273)
山戸 吉雄 東北大学, 科学計測研究所, 講師 (20006141)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 高エネルギー重イオン / 原子核乾板 / スペクトロメーター / マグネティック・エマルジョン・チェンバー / QGP / BNL / 乾板解析 |
研究概要 |
我々は、従来不可能とされていた磁場中での原子核乾板による、荷電粒子の運動量測定法を開発した。此れは原子核乾板と発泡プラスチックを約14層にサンドイッチ状に重ね合せたもので、極めて低質量、高精度の条件で製作した。此の方法をマグネテイック・エマルション・スペクトロメータ(MES)と名付けた。高エネルギー重イオン反応は高温・高密度状態下での物質の新しい相の研究として、現在、物理学上の中心的課題である。特にブルックヘブン国立研(BNL)等に於いて、核子当り15Gev及至それ以上のエネルギーを持つ重イオンが加速され、当方面の研究は極めて活発となった。 2年間に亘る当補助金によって我々は、現在其の所期の目的を果した。以下、それについて述べる。 1.初年度MESの開発と実用型6セットの製作を完了した。 2.BNLでの実験が、BNL当局に於いて認められ、MESをBNLに持参し、核子当り14.5GeV/Cの^<28>Siビームを照射し、タングステン標的との核反応をMESで測定した。(乾板内に画像として記録) 3.高精度半自動飛跡解析装置の製作、調整および其の駆動のためのソフトウェアー群の整備を完了した。(DOMS型装置2セット準備) 4.BNLで照射した原子核乾板を上記装置によって解析した結果、MESが極めて精度良く反応を観測し得る事、製作した解析装置の作動も順調である事を確認した。 上述の成果の上に立って、目下全反応事象の解析を行いつつあり、角度、運動量、運動量移行、ラピイディティ等の各分布を得つつある。興味ある物理的結果もあり、モリオン国際会議、日本物理学会に於いて発表する予定である。
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