研究課題/領域番号 |
62460054
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
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研究分担者 |
石川 賢一 東北大学, 教養部, 助手 (20158744)
長谷中 利昭 東北大学, 理学部, 助手 (50202429)
吉田 武義 東北大学, 教養部, 助教授 (80004505)
藤巻 宏和 東北大学, 理学部, 助教授 (90133933)
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キーワード | 造岩鉱物 / インコンパティブル元素 / 超苦鉄質岩 / 苦鉄質岩 / 交代作用 / 玄武岩マグマ |
研究概要 |
上部マントルと下部地殻の高温・高圧下において生成した超苦鉄質・苦鉄質岩類とそれらの代表的な造岩鉱物の主成分・微量成分を定量し、一の目潟苦鉄質岩類の同位体年代測定を試みた。その結果幾つかの新知見を得たのでそれらについて記載する。 1.大陸、海洋および島弧の上部マントル由来かんらん岩類とそれらの主成分鉱物、かんらん石、透輝石、エンスタタイト、スピネルあるいはざくろ石のインコンパティブル元素含有量の多くは極めて微量であって玄武岩マグマへのそれら元素の供給源にはなり得ない。かんらん岩の部分融解時により深部からフルイドとして供給されたものと考えられる。 2.交代作用によりインコンパティブル元素の添加を受けたかんらん岩の主成分鉱物のそれらの元素量を測定してみると、かんらん石、エンスタタイトやざくろ石はそれらを含まず、透輝石や新たに生成した金雲母やカリ・リヒテライトに分配されている。 3.海洋プレ-トが大陸プレ-ト下に沈み込むとき、Srは浅いところでは斜長石、深くなると角閃石に、またBrは黒雲母に分配されるとされているが、一の目潟下部地殻由来の苦鉄質岩を調べると、確かにSrは斜長石に最も多いが、角閃石にもSrとBaはほぼ同量含有され、黒雲母を特に考慮する必要はない。なおこの岩石の全岩Rb-Sr年代は10億年前と予想以上に古い。さらにSm-Nd年代測定を行う必要がある。
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