黄化ヤエナリ芽生えから調製した単離核から、可溶性蛋白質画分を得て、monoQカラムにより分離した。硫安濃度0.1M付近にαーアマニチンによって阻害されないRNAポリメラーゼI活性が、0.25M付近にαーアマニチンで阻害されるRNAポリメラーゼII活性が溶出された。このRNAポリメラーゼII活性は非常に不安定なため、これ以上の精製は行なわず、オーキシン結合蛋白質ーI(ABPーI)結合セファロース4Bカラムにかけた。この結果、RNAポリメラーゼII活性は全てカラムに保持され、0.3M硫安濃度で溶出された。 また、Burgessらの方法に準じて小麦胚芽からRNAポリメラーゼIIの精製を行ない、極く少量のコンタミはDNAアガロースカラムクロマトグラフィーにより除き、電気泳動的に単一なRNAポリメラーゼIIを得た。この精製したRNAポリメラーゼIIをABPーI結合セファロース4Bカラムにかけたところ、ほとんど全てのRNAポリメラーゼ活性はカラムに保持され、0.3Mの硫安濃度で溶出された。 黄化ヤエナリ単離核から部分精製したRNAポリメラーゼIIも、また小麦胚芽から精製したRNAポリメラーゼIIも、ABPーI結合セファロース4Bカラムに保持されたことから、オーキシン結合蛋白ーIとRNAポリメラーゼIIが結合することが実証できた。 今後は、オーキシン結合蛋白質とDNAとの相互作用を明らかにして、遺伝情報発現の調節について検討していきたい。
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