研究課題/領域番号 |
62480120
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 博 大阪大学, 医学部, 教授 (70028273)
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研究分担者 |
樋口 宗史 大阪大学, 医学部, 助手 (30150337)
渡辺 康裕 大阪大学, 医学部, 講師 (90127324)
内田 修次 大阪大学, 医学部, 助教授 (90028639)
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キーワード | ムスカリン様アセチルコリン受容体 / 受容体サブタイプ / アテニレートシクラーゼ / Pエレスポンス |
研究概要 |
昨年度の報告において、心筋ムスカリン様受容体(M2)がそのアゴニスト結合の性質からM2αとM2βに分けられることを示し、さらにM2αがアデニレートシクラーゼ抑制と、M2βがPI反応と共役していることを報告した。しかし遺伝子工学的研究の結果、心筋ではただ1種のmRNAしか発現しておらず、M2αとβは同一蛋白の異なった修飾の結果と考えられる。 我々は、どの様な蛋白修飾がこの機構に関与しているかを知るため、実験を行った。現在以下の結果が得られている。 1)SDS電気泳動によっては、ムスカリン様受容体は1つのピークを示し、M2α、βを分離できなかった。 2)受容体リン酸化はα、βの分化に関係ない。 3)以前我々が行った受容体とGTP結合蛋白の脱共役を起こす処理(ウレア処理、トリプシン処理、アルカリ処理)によっても影響されない。 4)心筋膜をジギトニンーコール酸によって可溶化すると、αかβかは不明であるがどちらか1つのみになる。 以上の結果から、我々はM2αとM2βの分化には受容体同士の重合、受容体と他の蛋白との結合の可能性が強いと考えて実験を進めている。また、心筋ムスカリン様受容体のダウンレギュレーションとM2α、βとの関連についても研究中である。 心臓ペースメーカー細胞の発火および心房筋収縮のムスカリン性抑制はK^+チャンネルの開口によっており、我々はこの反応がM2α、βのいずれが関与しているかに興味を持ち、パッチクランプ法を用いた実験を開始したが、実験技術の習得、機器の設置に問題がありこの研究は当初予定した進展は得られなかった。
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