| 研究課題/領域番号 |
62480181
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| 研究機関 | 国立公害研究所 |
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研究代表者 |
村上 正孝 国立公害研究所, 環境保健部, 部長 (30010078)
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| 研究分担者 |
藤井 敬二 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (50106639)
佐野 友春 国立公害研究所, 環境生理部, 研究員 (10178808)
市瀬 孝道 国立公害研究所, 環境生理部, 研究員 (50124334)
嵯峨井 勝 国立公害研究所, 環境生理部, 室長 (80124345)
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| キーワード | 二酸化窒素(NO_2) / 慢性暴露 / プロモーション作用 / N-bis(2+hydroxypropyl) nitrosoamine(DHPN) / ポリアミン / オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC) / 肺腫瘍 / 鼻腔腫瘍 |
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| 研究概要 |
本研究はガス状大気汚染物質である二酸化窒素(NO_2およびオゾン(O_3)の単独あるいは複合暴露による呼吸器系腫瘍プロモーション作用の有無を検討することを目的としている。
昨年度はラットに発癌物質のN-bis(2-hydroxypropy1)nitrosoamine(DHPN)を体重kg当りに0.5gを1回投与し、その後0、004.、0.4、および4ppmNO_2を連続18カ月間暴露したラットの肺と鼻腔の病理標本を作製した。
今年度は、この病理標本の鏡検の再検討を行った。その結果、DHPNを投与せず、NO_2のみを暴露したラットでは肺にも鼻腔にも全く腫瘍は発生していなかった。一方、DHPNの1回投与ラットでは、Oppm(Control)群、0.04ppm群をよび0.4ppm群の各40匹中に1匹の線腫が認められた。これに対して、4ppmNO_2群では40匹中5匹に線腫があり、その内の1匹には腺がんが認められた。鼻腔の腫瘍検索の再検討では、昨年の検討とほとんど同じ結果を得た。すなわち、NO_2単独暴露群では全く腫瘍は認められなかったが、DHPN+NO_2群ではNO_2濃度(0、0.04、0.4、4ppm)の違いにかかわりなく、各群各々97、100、97および100%の腫瘍発生率を示し、また悪性腫瘍発生率も各々17、38、18および26%となり、NO_2暴露の影響は認められなかった。
腫瘍マーカーについても再実験を行った。10ppmNO_2の1カ月暴露実験で肺のオルニチンデカルバキシラーゼ(ODC)活性は暴露3日目で2倍に増加していた。尿中ポリアミン量も3日目以降で有意に増加していた。
これらの結果より、NO_2は非常に弱いながらも肺の腫瘍を促進する。いわゆるプロモーション作用を持つ可能性が再確認された。
今年度は再に、DHPNを1回投与後、O_3、O_3+NO_2およびNO_2+硫酸エアロゾルを1年間暴露する実験を開始した。主に、硫酸エアロゾル暴露装置の改良とその運転に多くの労力を費いやした。
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