研究課題/領域番号 |
62480247
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
飯塚 禮二 順天堂大学, 精神科, 教授 (00052952)
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研究分担者 |
斉藤 伸 順天堂大学, 精神科, 助手 (90170505)
河村 哲 順天堂大学, 精神科, 助手 (20204779)
一宮 洋介 順天堂大学, 精神科, 助手 (10184631)
前原 勝矢 順天堂大学, 精神科, 講師 (40124979)
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キーワード | 脳内移植 / Alzheimer病(AD) / マイネルト核 / アセチルコリンエステラ-ゼ(AChE)組織化学 / コリン性線維 |
研究概要 |
本研究の目的は、ALZHEIMER病(AD)の病態発現に関与していると推定されるマイネルト核の神経細胞を胎仔より取り出し、これを老齢ラットに移植して移植環境下における神経伝達物質や神経回路網の変化等を検討する事である。本年度我々は、はじめに移植環境下でコリン性線維を解析する為にAChEによる組織化学染色を改変した。AChE組織化学染色は、KarnovskyとRootのチオコリン法を基本としたが、非特異的反応が強い事と染色時に浮遊法を用いるには移植片が脆弱である事から、貼付切片を用いた上でチオコリン法の反応液の濃度・マレイン酸緩衝液のpH・反応時間・反応温度を改変して至適条件を求めた。その結果、KarnovskyとRootの反応液を50倍に希釈しかつマレイン酸緩衝液のpHを8.0として用い、37℃で90分反応後0.02%Diaminobenzidine(DAB)溶液により発色するのが適当であると結論された。このようなAChE組織化学染色により、成熟ラットに移植された組織を観察したところAChE陽性の細胞体が多数認められ、更にAChE陽性の線維が検出された。また宿主の大脳皮質においてもAChE陽性線維の濃密な分布が認められた。次に、脳内移植実験系を用い移植されたニュ-ロ-ンの成長や線維の伸展を指標の一つとして各種薬物の作用を解析する事は非常に有用であると考え、痴保改善薬等のコリン性ニュ-ロンに対する影響を移植ラットで観察する実験的アプロ-チを試行した。現在は成熟ラットに移植して薬物投与での変化を観察しているが、定量解析する為に実験動物の数を増やしているところである。更に移植後の長期経過を観察する為移植後一年経過のラットを作製しており、上記のAChE組織化学とChAT免疫組織化学にて短期経過(4週間)と比較検討する予定である。
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