研究課題/領域番号 |
62480389
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野首 孝祠 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80028753)
|
研究分担者 |
岡田 政俊 大阪大学, 歯学部, 助手 (70169118)
奥野 善彦 大阪大学, 歯学部, 教授 (50028750)
|
キーワード | 筋電図 / 顎運動 / 顎関節症 / バイトプレ-ン / 体位 |
研究概要 |
本年度は、顎関節症患者に使用するバイトプレ-ンの種々の要素を変化させ、その臨床応用の際の示唆を得ることを目的として研究を行い、これまでの研究結果を総括するために、顎機能の診査に有効であると思われるパラメ-タを集め、総合的な診断システムの確立を図った。 本年度における研究成果を要約すると以下の通りである。 1.正常者と顎関節症患者において、バイトプレ-ン装着前後の最大咬みしめ時における筋電図活動を比較分析したところ、筋活動量の左右差や周波数分析における累積パ-センタイル値において、両群間に差がみられた。したがって、前年度のタッピング時のデ-タもあわせて、正常域から逸脱した項目数を数えることにより顎機能を客観的に評価できる可能性が示唆された。 2.バイトプレ-ンの要素として咬合挙上量、咬合接触点、および計測時の被験者の体位の筋活動に及ぼす影響を検討した結果、咬合挙上量を5mmとし、前歯部に咬合接触がある場合に全体的な筋活動の抑制が強くみられた。また、体位については特に坐位と仰臥位におけるタッピング運動時の前後的な顎偏位の大きな被験者ほど両体位間における筋活動量の変化率も大きいことが示され、バイトプレ-ンの調整の際にも注意を要することが示唆された。 3.顎運動、筋電図を同時にA/D変換後コンピュ-タに入力し、その中で各種の分析、処理を行うシステムを開発した。これにより、分析精度の向上、処理の能率化や省力化が図られた。 4.MKGを用いてタッピング運動の様相を詳細に観察した結果、種々の高さの下顎位における断面を下顎切歯点に取り付けたマグネットが通過する位置のばらつきを一つのパラメ-タとして顎関節症の診断の一助となる可能性が示唆された。
|