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1988 年度 実績報告書

アミロイドーシスの発症機構と血清アミロイドP成分の関与に関する分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62480427
研究機関熊本大学

研究代表者

前田 秀一郎  熊本大学, 医学部, 助教授 (10117244)

研究分担者 島田 和典  熊本大学, 医学部, 教授 (40037354)
續 輝久  熊本大学, 医学部, 助手 (40155429)
キーワードアミロイドーシス / 血清アミロイドP成分 / プレアルブミン / アミロイド / トランスジェニックマウス / 急性期反応 / cDNA / 遺伝子DNA
研究概要

血清アミロイドP成分(SAP)は、肝で合成される血清糖タンパク質で、種々のアミロイドーシスで沈着するアミロイドに共通に数〜20%の構成成分として含まれる。またヒトの代表的な急性期タンパク質であるC反応性タンパク質(CRP)と一次構造上相同性を有す。このSAPがアミロイドーシスの発症にどのように関与するかを、実験操作の容易なマウスを用いて明らかにすることを目的に研究をすすめ、以下の結果を得た。
1)ヒト異型プレアルブミン(PA)を産生するトランスジェニックマウスでは、生後4ヵ月〜1年程でヒト異型PAとマウスのSAPとがアミロイドを形成して沈着する。そこでこのマウスを用いて異型PAから成るアミロイドの沈着にSAPがどのように関与するかを検討することを目的に、先ずマウスのSAPcDNAならびに遺伝子DNAを単離し、その全塩基配列を決定した。マウスSAP遺伝子は薬1.1kb大で2個のエクソンから成る。
2)マウスPAcDNA、SAPcDNA、CRPcDNAをプローブとして、マウス(C57BL/6、雄)肝中のmRNA量が急性炎症でどのように変化するかを解析した。PAmRNAは炎症惹起後、8時間で薬半量迄減少し、20時間後迄この低い値を保ち、その後徐々に増加し、44〜69時間後には正常時の約1.6倍量認められた。一方SAPmRNAは炎症惹起後20時間で正常時の約60倍量に増加し、その後徐々に減少して69時間後には、ほぼ正常レベルに復した。またCRPmRNA量は4時間後には正常時の約6倍迄増加し、その後急速に減少して20時間後には正常レベルに復した。またC57BL/6マウスの雄の肝中には雌の肝中の約1/6量のSAPmRNAしか存在しないことを見出した。
以上の知見をもとに今後は上記トランスジェニックマウスにおいてアミロイド沈着の時期や程度に性差や急性炎症がどのような影響を与えるかを調べ、アミロイド沈着におけるSAPの関与を検討する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Wakasugi,S.: Develop.Genet.9. 203-212 (1988)

  • [文献書誌] Murakami,T.: Biochem.Biophys.Res.Commun.155. 554-560 (1988)

  • [文献書誌] Nishiguchi,S.: Biochem.Biophys.Res.Commun.155. 1366-1373 (1988)

  • [文献書誌] Ohnishi,S.: Biochem.Biophys.Res.Commun.156. 814-822 (1988)

  • [文献書誌] 前田秀一郎: 生化学. 61. 1-20 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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