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1987 年度 実績報告書

エックス線透過撮影による平安時代寄木彫像技法の発展に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62510036
研究機関奈良国立博物館

研究代表者

松浦 正昭  奈良国立博物館, 学芸課, 研究員 (80004092)

キーワードエックス線透過撮影 / 平安時代寄木技法
研究概要

近畿地方所在の寄木彫像作品のエックス線透過撮影を実施し, 現在までのところ40点以上の作品について, それぞれ正面全身・側面全身のエックス線透過写真を収集することが出来た. 撮影フィルムはすべて現像を終え, いずれも密着方式によって焼付写真を作成し, それを継ぎ合せて, 各像の正面・側面の全身像が隨時に詳察できるよう整理してある.
平等院(京都)の国宝・雲中供養菩薩像は, 寄木彫像の完成者である仏師定朝とその工房によって制作されたことが確かめられる重要な作例であるが, そのうち計8体の作品について, エックス線透過撮影を行った. その結果, これら一連の作品の寄木構造および内刳について, これまでの外面からの観察結果を修正補足する新しい知見が得られた. 平等院の雲中供養菩薩像に次ぐ時期の寄木彫像作品である, 即成院(京都)の重要文化財・来迎群像についても, 計8体のエックス線透過撮影を行い, これら群像がいずれも高度に発達した寄木内刳技法からなる作品であることが, 透過影像写真によって確認できた. また清涼寺(京都)の重要文化財・十大弟子像10体についてもエックス線透過撮影し, これまで十分には把握できなかった, これら10体の内刳の形状や寄木構造について, 確実な写真資料を収集することができた. さらに十大弟子像のうち大迦葉尊者像の像内には巻子状の納入物が存在することも確認された.
平安時代寄木技法の発達に何らかの影響を及ぼしたことが考えられる, 中国宋代の木彫像作品についても, エックス線透過撮影を行い, 清涼寺(京都)の国宝・釈迦如来像と清雲寺(神奈川)の観音菩薩像の透過影像写真を収集し, 日本の寄木彫像作品との比較資料として活用できると考えている.

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公開日: 1989-03-20   更新日: 2016-04-21  

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