研究概要 |
本研究の目的は, 大規模な公共事業として推進されるダム建設計画による水源過疎山村および流域における地域社会や住民生活への影響と変容過程について, 自治体や住民の対応形態および公共事業と住民運動との関連性などを中心に実証的研究をおこなうことである. この目的にもとづいて, 本年度は以下の対象について資料の収集と基礎的な分析をおこなった. 1.すでにダム建設がおこなわれ地域振興に苦慮している地域である愛知県富山村と豊根村について現地調査をおこない, 基礎的な資料収集をした. 2.ダム建設計画に反対しながら積極的に地域振興を推進している岐阜県板取村について現地調査をおこない, 基礎的な資料収集をした. 3.ダム建設計画が進行中の岐阜県旧徳山村と愛知県設楽町について現地調査をおこない, 収集した資料について基礎的な分析と中間的まとめをし, 調査報告を公表した. 上記の現地調査とその整理の過程で, ダム問題および小問題と関連する広域的な地域研究の課題についての理論的な検討をおこない, 学会においてその試論を発表し, 研究誌に公表する予定になっている.
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