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1988 年度 実績報告書

多層膜分光素子による宇宙X線観測用高効率分光器の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 62540190
研究機関大阪大学

研究代表者

北本 俊二  大阪大学, 理学部, 助手 (70177872)

研究分担者 山下 廣順  大阪大学, 理学部, 助教授 (80022622)
キーワード多層膜 / X線分光 / X線望遠鏡 / X線天文学 / X線光学 / 固体物理学 / 薄膜
研究概要

高効率X線分光器を開発するにあたり、エタロンを使用した新しい型の分光器を考案した。多層膜は、その構造を自由に設計できるという利点があり、規則的に積層した多層膜の間にスペーサーを入れることによりエタロンを作成することができる。また、そのスペーサーの厚さをコントロールすることによりエタロンの反射特性をある程度自由に変えることができる。適当なエタロンの組合せにより、X線のエネルギースペクトルのフーリエ変換した形の信号を取得することができる。こうして取得したデータを逆フーリエ変換することにより元のエネルギースペクトルを再現できる。このことは、計算機シミュレーションにより明らかにした。
次に、実際にエタロンを作成するための基礎的なデータを得るために、いろいろな層の厚さのNi/Cの多層膜を作成し、特性X線、及び、シンクロトロン放射光を使用して、反射率を測定した。その結果、層の厚さ(2d)が、100〓以下では、高い反射率の多層膜を作成することは難しく、その原因は、層の粗さ(rms)が、およそ10〓であると考えて良いことを示した。そのデータを基にして、実際にNi/Cのエタロンを作成し、特性X線、及び、シンクロトロン放射光で、反射率を測定した。その結果、ほぼ設計通りのエタロンが作成できていることを確認した。また、分光器のために昨年度作成した位置検出型比例計数管の性能評価を行った。その結果、ほぼ20cmにわたって、5。 9keVの特性X線で、約2mmの位置分解能と、約18%以下のエネルギー分解能が達成されていることを確かめた。この作成したエタロンと位置検出型比例計数管を組み合わせることにより、高効率X線用分光器が作成可能である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Yamashita;et al.: Photon Factory Activity Report.5. 276-276 (1987)

  • [文献書誌] K.Yamashita;et al.: Short Wavelength Laser and their Applicatons. 384- (1988)

  • [文献書誌] K.Yamashita;et al.: Rev.Sci.Instr.(1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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