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1988 年度 実績報告書

高ヘテロタクトなメタクリル酸メチル-スチレン交互共重合体の重合機構

研究課題

研究課題/領域番号 62550662
研究機関東京大学

研究代表者

後藤 八重子  東京大学, 工学部, 助手 (00092388)

研究分担者 川村 時治  東京大学, 工学部, 教務職員 (30107586)
平井 英史  東京理科大学, 工学部, 教授 (90010751)
キーワード高ヘテロタクト重合 / 交互共重合 / σパラメータ / 三塩化ホウ素 / メタクリル酸メチル / スチレン-d_2 / ラジカル共重合 / 一次マルコフ規制
研究概要

前年度で三塩化ホウ素(BCl_3)濃度と得られたメタクリル酸メチル(MMA)-スチレン交互共重合体のコタクチシチーとの関係を詳細に検討した結果、高ヘテロタク体の合成には、BCl_3が2分子関与していることが明らかとなった。また、二次元NMRスペクトルを測定し、メチレンプロトンのテトラドの帰属を行った。
本年度は、メチレンを重水素化したスチレン(St-d_2)を合成し、これとMMAの共重合を行った。このMMA-St-d_2系交互体のMMA中心およびスチレン中心トリアドコタクチシチーは対応するMMA-St系の両中心トリアド分率ともほぼ等しく、交互共重合における立体規制にモノマー重水素化の影響はなかった。交互体の400MHzでの^1HNMRのメチレンピークからメソダイアド分率(Pm)を求めるとMMA-St-d_2系で23.5%、MMA-St系で44.1%であった。前者で観測されるメチレンプロトンは、MMAのみに由来するものであるので、スチレンからMMAへ成長する際のイソタクト付加確立をσ_1とすると、Pm=23.5はすなわちσ_1^*=0.235である。MMA→スチレンの場合をσ2温^*とすると、MMA-St系のPm=(σ1温^*+σ_2^*)/2の関係式よりσ2温^*=0.65と求められる。この高ヘテロタクト体では、両中心トリアド分率は一致するので、2パラメータとして解析すると、S:H:Iの計算値は27:58:15となり、実測値22:73:5と一致しない。そこで両モノマー成長端で前末端効果のある4パラメータで解析した。前末端がiso(あるいはsyn)の時isoに付加する確立を、各々σ_<1I>、σ_<2I>(あるいはσ_<1S>、σ_<2S>)とすると、MMA中心トリアドは、σ_1^*、σ_<2I>、σ_<2S>を用い、St中心はσ_2^*、σ_<1I>、σ_<1S>を用いて書き表せることを見出し、σ_<1S>=0.38、σ_<1I>=0.08、σ_<2I>=0.71σ_<2I>=0.21を決定出来た。従来SnCl_4、EASCでは別法で求めたσ_1^*が0.60、0.72とSt→MMAの段階がイソタクト的であったのに反し、高ヘテロタクト体を与えるBCl_3系では、σ_1^*=0.24とシンジオ的であることを明らかに出来た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y.Gotoh;M.Nakamura;Y.Hirai;M.Yamashita;N.Toshima;H.Hirai: Polymer Preprints,Japan. 37(2). 361 (1988)

  • [文献書誌] Y.Gotoh;T.Kawamura;N.Toshima;H.Hirai: IUPAC 32nd International Symposium on Macromolecules [MACRO 88] Preprints,Kyoto,Japan,Aug.2,1988. 343 (1988)

  • [文献書誌] Y.Gotoh;N.Nakamura;Y.Hirai;N.Toshima;H.Hirai: Polymer Preprints,Japan. 38. (1989)

  • [文献書誌] Y.Gotoh: Kobunshi(高分子). 38(4). (1989)

  • [文献書誌] Yaeko,Gotoh;Hidefumi,Hirai: "Current Topics in Polymer Science Volume I Polymer Chemistry and Polymer Physics Chapter 3.2" Hanser Publishers, 17(151-167)/343 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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