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1988 年度 実績報告書

ヒト悪性腫瘍細胞での培養温度による放射線・温熱感受性と細胞膜抗原性の変化

研究課題

研究課題/領域番号 62570470
研究機関福井医科大学

研究代表者

中津川 重一  福井医科大学, 医学部, 講師 (00180315)

研究分担者 中島 鉄夫  福井医科大学, 医学部, 助手 (70188936)
岡野 学  福井医科大学, 医学部, 助手 (50169132)
新家 信行  福井医科大学, 医学部, 助手 (40115986)
キーワード培養温度 / PLD回復 / feeder layer / ヌードマウス / spontaneous metastasis / magnetic resonance spectroscopy(MRS) / 放射線感受性 / 温熱感受性
研究概要

昨年度に続き、異なった培養温度(35、37、39℃)における放射線温熱感受性をヒト肺癌由来AOI細胞を用いて検討した。またヌードマウスへの移植実験も行った。その中でいくつかの興味深い副産物があり、当初予定していた実験を次年度に繰越してその検討に当てた。まず温熱感受性の検討に当たって、温熱の膜損傷をトリプシン処理が増強して、アーチファクトが出ないよう、25Gy照射したAOI細胞をfeeder layerとして用いることにした。ところが、非常に興味深いことに、39℃以外の温度では、feeder自体がその数で依存した細胞毒性を示すことが確認された。例えば、6cm直径のpetri dish当り1×10^4個のfeeder colonが全くできなくなった。現在、この現象(intercellular interaction)の原因について、更に検討を加えている。feeder無しで検討した所、温熱感受性は他の細胞と比較して低く、39℃で培養した場合でも温熱の効果は小さかった。またプラトー期細胞におけるPLDRはどの培養温度下でも温熱による阻害は全く認められなかった。
KSNヌードマウス(7W令の雄)への移植実験では、生着率が37℃培養細胞で70-90%であった。preliminaryな実験では他の温度でのそれは低かった。この腫瘍系は右後肢支内移植(2×10^5cells/mause)のためか、増殖が遅く、1.0cm直径に達するのに約45日を要した。非常に興味深いことに2.5cm以上の直径に達したものの約20-30%にspontaneous metastasisを認めた。高率にみられたのは、傍大動脈、縦隔、頸部リンパ節、副腎への転移で、肺、肝、脾等への転移もあった。皮内移植後のspontaneous lymphatogetic metastasisは非常にまれである。なお、この腫瘍は1.0cm直径のものでも中心壊死があったが、2T MRS(magnetic resonance spectroscopy)によって、増殖とともに腫瘍内pHが低下することを確認した。また今後、転移モデルとして確立すべくcloningを試みている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 中津川重一: 日本医学放射線学会 生物部会誌. 1. 12-15 (1988)

  • [文献書誌] 中津川重一: 日本医学放射線学会 生物部会誌. 1. 74-76 (1988)

  • [文献書誌] 中津川重一: 日本医学放射線学会 生物部会誌. 1. 93-96 (1988)

  • [文献書誌] 中津川重一: 癌の臨床. 34. 1789-1797 (1988)

  • [文献書誌] 中津川重一: 医学のあゆみ. 148. 169-172 (1989)

  • [文献書誌] Masae Kakehi: Int.J.Hyperthermia.

  • [文献書誌] Nakatsugawa,S.: "Proceedings of 5th International Symposium on Hyperthermic Oncology" Taylor & Francis Ltd.,

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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