研究概要 |
当該年度においては, ヒドロキサム酸の一種であるNーヒドロキシフタルイミドのアセトニトリル中における酸化電位が, 塩基が共存することにより低下するという性質を利用し, アミンの電気化学的検出を低下した電位におけるNHPI酸化信号をもって間接的に行うことが原理的に可能であることを示すという観点から種々の検討を行った. その結果, アミンを直接検出する場合に比べ0.7〜0.8V低い電位での検出が可能なこと, 感度, 定量性ともに分析化学的に満足できるものであることを明らかにし, 日本分析化学会欧文誌に発表した. その後, 系の拡張ならびに分析法としての確立という観点から, NHPI以外の有機弱酸性物質, 例えばハイドロキノンを用いた際の諸性質の検討, 溶媒組成の変動による影響, 高速液クロにおける分離条件の検討などを行っており, 実用化へ向けての諸情報を蓄積している.
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