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1988 年度 実績報告書

白血球のNADPH(O^-_2生成)酵素の研究

研究課題

研究課題/領域番号 62580161
研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

柿沼 カツ子  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部, 室長 (30109946)

研究分担者 綱脇 祥子  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部, 研究員 (00211384)
兼田 瑞穂  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部, 研究員 (50113494)
藤井 博匡  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部, 研究員 (70209013)
千葉 司  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 炎症研究部, 研究員 (20188486)
キーワード白血球 / NADPH酸化酵素 / O<-( / )2>生成酵素 / チトクロムb_<558> / フラビン酵素
研究概要

白血球は細胞膜にNADPHを基質としてスーパーオキサイド(O^-_2)を生成する一種の電子伝達系が存在する。この膜内電子伝達因子には諸説がある。この点を明らかにするために、無損傷の活性中心(フラビン及びヘム蛋白)をもつ標品を分離し、電子伝達反応のKinetics及び物理化学的性質を明らかにする必要がある。この状件を満す標品を、粒状ゲルを用いた、調整用平板等電点電気泳動法に改良を加えて分離した。
(1)フラビン酵素(Pl5)の分離と電子伝達反応:NADPHの電子受容体と考えられるフラビン酵素がPl5.0に集まり、分子量が約70KDaであることを確認した。このフラビン酵素は、チトクロムCに直接電子を渡し酵素との反応性は低く、チトクロムCペルオキシダーゼ(CCP)とH_2O_2との複合体生成反応で測定したKmO_2は、70〜134μMとなり、膜レベルのNADPH(O^-_2生成)酵素のKmO_2の6〜7μMの10倍高い値を示した。従って、膜内ではフラビン酵素は、酵素とは直接反応しないと考えられる。
(2)チトクロムb_<558>の分離及びESRスペクトル:等電点電気泳動のアンホラインの状件を変えることにより、チトクロムb_<558>のヘム部位の変性なしに、分離できる状件を見出した。このチトクロムb分画を濃緒し、ESRスペクトルを液体ヘリウム温度可変装置を用いて測定した。そのスペクトルは、以前に報告したHigh Spinのシグナルは見られず、またヘム変性に伴って生ずるg=4のシグナルを極力小さく抑えることにより、近接するg=3領域のLow Spinのヘムのシグナルの検出に成功した。
以上の結果、白血球膜内のNADPH(O^-_2生成)酵素系に存在するチトクロムb_<558>は、ミエロペルオキシダーゼやヘムグロビンなどのHigh Spin型とは異なるLow Spin型ヘムであり、この酵素系がシアンや一酸化炭素で阻害されない特徴と、理論的にも一致することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] K.KAKINUMA,et.al.: J.Biol Chem.262. 12316-12322 (1987)

  • [文献書誌] K.KAKINUMA,;T.Chiba;H.Fujii.: Elsevier publiching Co.Medical,Biochem.Chem.Aspect of Free Radicals.

  • [文献書誌] H.Fujii,;K.KAKINUMA.: Biochim.Biophys.Acta,.

  • [文献書誌] Y.Fukuhara,;Y.Ise.;K.KAKINUMA.: Febs.Lett.229. 150-156 (1988)

  • [文献書誌] T.Yamaguchi,;T.Hayakawa,;M.Kaneda,;K.KAKINUMA.: J.Biol.Chem.264. 112-118 (1989)

  • [文献書誌] 網脇祥子、柿沼カツ子、倉辻忠俊: 炎症 (炎症学会誌). 9. (1989)

  • [文献書誌] 柿沼カツ子: "「新医科学大系」白血球と感染防御" 中山書店, 191-216 (1988)

  • [文献書誌] 柿沼カツ子: "「医学細菌学」4巻、白血球の感染防御" 菜根出版, 231-270 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2015-05-13  

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