研究課題
F/1.4のエア・シュミット型カメラは補正板、主鏡、副鏡の3つの要素から成り、補正板と副鏡は非球面である。このうち補正板は平面ベースで非球面量が約0.2mmと大きいため詳細な計測を行った。2つの螺旋形の回折格子を使ったConstant Radial Shearing干渉計を使って設計値通りに製作されていることを確めた。なお、この干渉計は分担者本田捷夫と東京工業大学大学院学生の茹慶新君によって考案された世界ではじめての装置である。カメラの組立ては非球面2面を含み球面の場合にできる調節がきかないので、高精度を保証できる「玉押し」という方法を使って行った。カメラの性能評価では幅5μmのスリットを拡大投影して線像強度分布のデータを得、フーリエ変換してMTF値を求めた。MTF算出の際にスリット幅の影響は除かれている。設計値から算出した製作誤差を含まない光学系軸上のMTF値は、100本/mmで70%となっているのに対して今回の測定値は約40%であった。その差は製作誤差と考えられ、その相当部分は非球面の形状誤差によると考えられる。
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