研究課題/領域番号 |
62840003
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小平 眞次 木更津工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50042627)
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研究分担者 |
稲谷 順司 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助教授 (20134629)
中村 強 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 教授 (50042619)
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キーワード | 準光学系 / 薄膜アンテナ / スパイラルアンテナ / ミキサー / SIS / SWL / サブミリ波 / 電子ビーム露光 |
研究概要 |
本年度は準光学系の電磁波結合を良くするための薄膜アンテナの改良、微細パターンを得るための電子ビーム鏡筒の改造、サブミリ波ミキサーの評価等を行なった。以下にその概要を述べる。 1)電磁波ビームの対称性を向上させるため、スパイラルアンテナを導入した。スケールモデルの設計試作によりシミュレーションを行なった結果、RF入力インピーダンスは周辺のグランド薄膜により理論値よりやや大きくなる。またIFについては理論値の特性インピーダンスを持ったアーム長の分布定数線路と見なせることが明らかとなった。(小平) 2)電子ビーム露光鏡筒のカソード周辺の2段偏光とブランキング回路の改良を行なった。これによりビーム最適化が電気的に調整でき、ブランキングレシオが10^<-4>以下となり、安定な露光が可能となった。(小平) 3)ミキサー素子の微細な接合を安定に得るため製造プロセスの検討を進めた。この結果、光露光によるリフトオフにおいて、リムーブしてもNb薄膜表面に変質したレジスト層が残ることが明らかとなった。これを除去するために酸素プラズマのアッシングを行なった。(稲谷) 4)ミキサー用ローカルの遠赤外レーザーで大阪大学応用物理阪井研究室の協力を得て、準光学系サブミリ波ミキサーの性能測定を行なった。この結果、ミキサーの雑音温度は約300Kの特性を示したが、遠赤外レーザの発振電力が不安定なため、十分な再現性が得られなかった(小平、稲谷) 5)直列のSISおよびSWL素子が、ミキサーとしてコヒーレントな動作に移行する状態を観測した。これは従来予想はされていたが、実験的に確認されていなかった。(小平、稲谷) 以上、本研究の目的を達することができたが、高感度サブミリ波受信機実現のためには、安定なローカル発振源の開発が今後の課題である。
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