研究概要 |
昨年度にひき続き、各種免疫修飾剤(BRM)の糖尿病発症抑制効果をNODマウスとBBラットを用いてスクリーニングした。本年度に新たに加わったのは、NODマウスについてNーCWS、hーILー1α、hーTNFαの追加実験とPSK、Lobenzarit Disodium(CCA)、Ubenimex(Bestatin)の新実験、BBラットについてhーTNFαとLentinanの新実験である。以下に結果を示す。1,NODマウス糖尿病発症に抑制効果のあったもの:OKー432(データは昨年と同じ(、P<0.001;LPS(データは昨年と同じ)、P<0.001;NーCWS(N=20、0.1mg、1/w、ip、発症率35.0%)vs対照(N=20、発症率80.0%)、P<0.005;hーTNFα(N=36、3,000U、2/w、ip、22.2%)vs対照(N=36、72.2%)、P<0.001。2,NODマウスに効果のなかったもの:glycyrrhizin(データは昨年と同じ)、P<0.1;Insulin(データは昨年と同じ)、P<0.5;PSK(N=20、1g/kg、連日、PO、75.0%)vs対照(N=19、94.7%)、P<0.1;CCA(N=20、50mg/kg、PO、70.0%)vs対照(N=18、88.9%)、P<0.25;Ubenimex(N=13、1or5mg/kg、連日、PO、53.8%)vs対照(N=15、46.7%)、P<0.75。3,BBラットに関しては:hーTNFα(N=21、5×10^4U、2/w、ip、0%)vs対照(N=22、36.4%)、P<0.001;Lentinan(N=11、0.1mg、1/w、ip、0%)vs対照(N=10、10%)、P<0.5。4,NODマウスに発症抑制効果のあったOKー432、Lps、Lentinan、hーTNFα投与群では抑制効果に応して膵島炎も軽快していた。 以上のように、細菌や植物由来のBRMとhーTNFαに自己免疫性糖尿病の抑制効果を認めた。特に、TNFの効果は病因との関係で非常に興味深く、その機序などについて解析中である。
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