研究課題/領域番号 |
63010010
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島崎 淳 千葉大学, 医学部, 教授 (10008229)
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研究分担者 |
吉田 修 京都大学, 医学部, 教授 (70025584)
大野 良之 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10160590)
和田 文雄 香川医科大学, 医学部, 教授 (20028385)
矢谷 隆一 三重大学, 医学部, 教授 (80024636)
松本 圭史 大阪大学, 医学部, 教授 (70028299)
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キーワード | 前立腺癌 / 潜在癌 / ホルモン依存性増殖 / 成長因子 |
研究概要 |
1.潜在癌の頻度と経過 顕性化した潜在癌をみると、分化度とびまん性が関係していた。前者について、潜在癌は高分化が多いが顕性化したものは中および低分化の占める比率が大となる。潜在癌の成長曲線は3相性を示し、体積として0.03および0.3cm^3がそれぞれの変換点である。第3相では被膜浸潤や貫通がおこりはじめ、臨床癌の様相となった。 2.潜在癌の疫学 潜在癌を臨床癌および非癌対照と比較した結果、性生活の既往は前二者が同様であり、栄養素の摂取も前二者が同じ傾向にあった。とくに危険因子としているカロチンは上記であった。 3.滞在癌の病理と微小環境 顕性癌において分化度とrasp21発現とは逆相関している。潜在癌では同一分化度の比較でやや発現頻度が低い傾向にあった。潜在癌の体積増加とともに発現率が増し、同一腫瘍内でも被膜浸潤部には陽性率が高かった。潜在癌周囲のホルモン濃度を測定した結果、非癌よりプロラクチン増加をみた。 4.前立腺の成長因子 ラット前立腺癌ダンニング腫瘍の高転移株では、転移をみないものよりIGFIIとTGFβを多く分泌したが、これ以外の成長因子の存在が示唆された。 5.アンドロゲン依存癌の依存性消失 シオノギ癌115はアンドロゲンにより塩基性FGF様成長因子を分泌することより、自己増殖機序をおこなう。性状の変化すなわち依存性を失ったものも同様の成長因子を分泌することが推測された。
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