研究分担者 |
KUTZER Steph ジョージワシントン大学, コンピュータセンター, 技術担当者
PRICE Jhseph 米国議会図書館, 科学技術部, 部長
OWENS C.T 米国科学財団, 情報分析課, 課長
BOSWELL Joe ジョージワシントン大学, コンピュータセンター, センター長
大山 敬三 学術情報センター, 助教授 (90177022)
WOLOB S 米国科学財団, ネットワーク通信部, 部長
安達 淳 学術情報センター, 助教授 (80143551)
橋爪 宏達 学術情報センター, 助教授 (40172853)
HALASZ Hisak 米国議会図書館, 科学文献係, 係長
LINDBERG D 米国国立医学図書館, 館長
小山 照夫 学術情報センター, 助教授 (80124410)
宮澤 彰 学術情報センター, 助教授 (80099928)
飯田 記子 学術情報センター, 助教授 (70027598)
淺野 正一郎 学術情報センター, 教授 (50092119)
内藤 衛亮 学術情報センター, 教授 (10110074)
根岸 正光 学術情報センター, 教授 (90114602)
濱田 喬 学術情報センター, 教授 (70013191)
開原 成允 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30010234)
山田 尚勇 学術情報センター, 教授 (00011700)
大野 公男 学術情報センター, 企画調整官 (40000731)
SMITH Jonath ペンシルバニア大学, コンピュータ情報学科, 助手
MORSE Michae 米国科学財団, 情報システム部, 担当者
THOMAS G 米国国立医学図書館, 主任研究員
PRICE Joseph W. Library of Congress
WOLFF Steve Director, Network Division, National Science Foundation
OWENS Charles T. Head, International Division, National Science Foundation
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研究概要 |
本研究は,学術情報センタ-が所有する学術研究に関するデ-タベ-スを,日本のみならず米国の研究者にも利用できるようにシステム開発を実施し,学術情報の国際的相互利用の基盤を形成することを目的とするものである. この背景には,学術情報センタ-と米国NSF(米国科学財団)との従来からの国際協力があり,NSFとの連携を深める中で日本の学術情報を米国に提供する具体的方策を検討し,その実現を評価する実証的研究を実施することは,今後の両国の学術情報の流通を促進する上で不可欠であるとする判断があった.このための実証的研究を実施するためには,3年からなる計画が必要とされた. 平成元年度には,NSFと学術情報センタ-との間に国際通信回線を設け,学術情報センタ-が運用する学術情報ネットワ-クを米国に延長し,その稼働を開始した.又NSRには日本語処理を可能とするパ-ソナルコンピュ-タを設置し,これを介して学術情報センタ-のデ-タベ-スを検索することを可能にした.同時に,NSFが主導するCSNETとの接続を行い,電子メ-ルの国際交換のための研究開発を実施した. 昭和64年度には,日本の統一図書目録等の作成に重要な役割を果たしているLC(米国議会図書館)にも回線を延長し,LCからの情報検索を可能にした.又世界的規模で運用されているネットワ-クであるBitnetとの接続のための研究開発を実施し,その相互接続を完了した.これにはジョ-ジワシントン大学の協力があり,共同研究の範囲も拡大している.同時に国内でもMHSによる電子メ-ルサ-ビスを,CSNET並びにBitnetに接続するための相互変換機能の開発が行われている. 今年度は,本実証研究の最終年度として,従来の研究成果のとりまとめを行うとともに,将来の国際相互接続利用を展望した今後の相互利用の方策について検討を行った. 第一は,第一年次(昭和63年度)に試行的運用を開始した米国研究者に対する情報検索サ-ビスを充実し,サ-ビスの普及を図った.即ち,従来の大学研究者だけでなく民間の研究機関の研究者に範囲を広げ,又提供情報の種類を増すことで,利用の量的並びに質的変化の傾向を分析した.この結果,約2倍の量的増大が達成されており,又従来は科学技術分野に利用が集中していたものが,人文社会分野にも利用の拡大が図られてきたことが明らかにされた.特に,文部省科学研究費補助金による研究成果の中に,米国研究者にとって関心の高い人文社会関係の研究が多いことが示されている. 第二は,電子メ-ルを中心とするネットワ-ク応用の相互接続利用を拡大するために,国際通信回線の増強を図り,運用の高度化のための配慮を行った.即ち,従来は64kb/sの回線を使用していたが,これを56kb/sに増大し,個々のサ-ビスに使用する容量の拡大を図った.しかし米国では,一層のネットワ-ク高度化が計画されていおり,研究と教育を一体化したネットワ-ク構想が議論されている.又欧州でも,ネットワ-クの増強を計画する機関があり,この傾向は国際的なものとなってきている.この中で,将来のネットワ-クの動向につき検討を実施するために2名の研究者を米国から招き,具体的な検討を実施した.更に,米国の主要なネットワ-ク運用機関であるNASAとも検討を行い,学術情報センタ-が実施する将来のネットワ-ク事業に関して検討を深めた. 以上に加えて,3月にはNSFにて最終の検討会を持ち,3年にわたる本実証研究のとりまとめを行った. 3年にわたる本研究を要すれば,従来は米国との情報流通が米国から日本に対する一方向であると見做されていたものが,実証的研究による結果により,米国から日本に対しても広い研究分野の情報検索が起こっていることが明らかにされたことであろう.今後は,この情報流通を一層促進させるために,海外に提供できる情報を整備していくことが重要と考えられる.一方,ネットワ-クの国際相互接続にも顕著な成果があり,公式の協同推進体制ができたことは,将来の資産といえる.このような成果が得られたことで,本国際共同研究は当初の目標を達成したものと判断する.
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