研究課題/領域番号 |
63301020
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
矢澤 修次郎 一橋大学, 社会学部, 教授 (20055320)
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研究分担者 |
武川 正吾 中央大学, 文学部, 講師 (40197281)
橋本 敏雄 明治学院大学, 社会学部, 教授 (80062173)
古城 利明 中央大学, 法学部, 教授 (70055185)
吉原 功 明治学院大学, 社会学部, 教授 (60062171)
庄司 興吉 東京大学, 文学部, 教授 (30061203)
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キーワード | 社会運動 / 再生産の理論 / 自己組織 / 社会形態 / 社会構造 / 自己変革 / 文化 / ポスト・構造主義 |
研究概要 |
今年度も理論に関する研究会と現実分析に関する研究会と2系列の研究会を開催して研究を進めてきた。理論的には、新機能主義やポスト・構造主義の成果に学びつつも、その理論をどう超えるかに議論が絞られた。結論的には、再生産論を展開することによってその課題を達成していこうということになった。総社会の再生産は、経済的再生産、世代的再生産、文化的再生産、政治的再生産の相互連関として把握され、その縮小再生産と拡大再生産とが問題になる。そうしたシステムの再生産がもたらすシステムあるいは社会体制の危機と自己変革との関連において社会運動は位置づけられる必要がある。現実分析面では、今年は多くの予備調査をおこなった。札幌市、苫小牧市、岩手県盛岡市と金ヶ崎町、鹿児島市と志布志町、岡山市、津山市などがそれである。それは、単なる地域調査ではなく、日本社会構造の総体把握にもとづく日本社会運動の総体把握を如何におこなっていくかという問題意識に立脚した調査地点の設定のための予備調査であった。その結果、岡山市とその周辺を本調査地点として選択することに決定した。その理由は、今日社会の総体把握をする場合、社会のインフラストラクチュアの変化(具体的には、全国的な交通網の整備)の意味、すなわち形態と構造との関係を考慮することが不可欠であり、本四架橋、山陽と山陰を繋ぐ高速道路建設によって大きく変わろうとしている岡山県岡山市とその周辺に着目することが妥当だということである。また地域分析の基礎視角としては、日本国家の世界化、日本企業の世界化という事態に直面して、文化を中心とした地域づくりが盛んに行われているが、文化概念が硬直しているためにうまくいっていない現状に鑑み、資本と国家の文化的支配力に対抗するものがどこから出現してくるのかを見極める、という視点を中心にしていくことが確認された。
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