研究課題/領域番号 |
63302032
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
堀内 和夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063403)
|
研究分担者 |
松本 隆 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063767)
川上 博 徳島大学, 工学部, 教授 (60035631)
森 真作 慶應大学, 工学部, 教授 (00051269)
上田 〓亮 京都大学, 工学部, 教授 (00025959)
古賀 利郎 九州大学, 工学部, 教授 (00037706)
|
キーワード | カオス / 非線形回路 / ダブルスクロール / フラクタル圏境 / カオスの生成機構 / 分岐 / ヒステリシスカオス / 窓とデストロイヤ |
研究概要 |
本研究は非線形回路のカオスについて強力な研究体制を組織し、総合的な研究を行うのを目的として行われている。本年は2年計画の初年度であった。以下、研究計画に示した3つの柱に沿って実績を報告する。 (1)数学、物理等の分野におけるカオスの研究状況の調査、情報交換、研究打ち合わせ会を3回開き、情報の交換を行なった。この結果、数学におけるカオス研究の話題やニューラルネットワークにおけるカオス研究の進展等が報告され、公開の研究会でその分野の専門家を招き、議論をすることとした。この他、多くの情報の交換が行なわれた。 (2)非線形回路におけるカオスの生成過程の解明のための共同討議・意見交換、研究集会を2度開催して、共同討議と意見交換を行なった。まず、回路のカオスに関するサーベイを行ない、研究の現状を確認した。ついで、回路に現われるさまざまな分岐現象について意見の交換を行なった。また、カオス発生回路の系統的な研究法や応用について議論した。また、計算機によるカオスの検証に関する数学的問題を明らかにした。 (3)非線形回路のカオスに関する公開の研究集会の開催 電子情報通信学会の非線形問題研究会と共催で、1989年1月24、25日の2日間に渡り、公開の研究集会を京大で開催した(同学会の会報に論文募集と案内を掲載した)。(1)で述べたテーマに関して数学者及びニューラルネットワークの専門家を招待し講演を行なってもらい、議論をした。Li-Yorkeの意味のカオスというカオスの数学的基礎についても、その可観測性に関し多くの問題点があることが明らかにされた。また、カオスが生体における情報処理に大きな役割を果たしている可能性に関するホットな問題提起がなされた。この他、共同研究者による8件の研究発表があり、回路のおけるカオスに関するさまざまな点が議論され、多くの成果が得られるとともに、次年度における共同研究テーマが浮き彫りにされた。
|