研究課題/領域番号 |
63302044
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
コンクリート工学・土木材料・施工
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡村 甫 東京大学, 工学部, 教授 (30010664)
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研究分担者 |
國島 正彦 東京大学, 工学部, 助教授 (00201468)
辻 幸和 群馬大学, 工学部, 教授 (50048922)
松本 進 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00041567)
山本 泰彦 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (40061220)
米倉 亜州夫 広島大学, 工学部, 助教授 (00034372)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | コンクリ-ト / 耐久性設計 / 材料 / 設計詳細 / 施工 / 鋼材腐食 / かぶりコンクリ-ト / 密実さ |
研究概要 |
初年度の研究成果に基づいて、材料・設計詳細・施工を総合的に評価することにより耐久性を評価できる「コンクリ-ト構造物の耐久設計指針(試案)を世界に先駆けて構築することができた。さらに、次年度では、前年度に枠組みとして提案した試案をさらに合理的かつ実用的なものとして確立するために実験および解析を行った結果、枠組みとしての妥当性が明らかとなり、個々の評価項目について新しい知見が得られた。 1.材料の評価について;骨材の特性およびペ-ストの細孔構造がコンクリ-トの透気性および吸水特性に及ぼす影響が定量評価された。また、コンクリ-トの流動途上の材料分離特性を材料特性値として評価できる見通しが得られ、これを材料および配合設計により制御する方法についても開発された。 2.設計詳細の評価について;真空乾燥法を用いた評価を行い、かぶりコンクリ-トにいかにコンクリ-トを充填し易いかが耐久性に対して重要であることが確認された。 3.施工の評価について;寒中コンクリ-トにおける初期養生の評価および混和材(スラグ等)を用いた場合の初期養生の及ぼす影響について、耐久性の観点から定量的に明らかにすることができた。また、打ち継ぎ目の影響および脱水工法による効果をそれぞれ力学的性状・密実さの観点から評価を行った。 4.全体のシステムについて;枠組みとして概ね妥当であることが、ケ-ススタディにより確認された。さらに、厳しい環境条件に対する環境指数の定量化を図ること、構造物建設の経済性を考慮し、実設計にさらに取り入れやすい形に発展させ、現在の受注発注システムを改善することが提案された。 この耐久設計指針(試案)が枠組みとして概ね妥当であることが検証されたが、今後は、新たに解明されたこれらの成果に基づいてさらに改良し、コンクリ-ト構造物の信頼性の回復に役立つよう大いに活用されることが望まれるとともに、耐久性に関して構造物全体に対する位置づけを明確にした研究が行われるようになることが期待される。
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