研究課題/領域番号 |
63302060
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大熊 幹章 東京大学, 農学部, 教授 (80011906)
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研究分担者 |
倉田 久敬 北海道立林産試験場, 試験部, 課長
飯島 泰男 富山県木材試験場, 材料課, 研究員
中村 昇 東京大学, 農学部, 助手 (30180384)
信田 聡 東京大学, 農学部, 助手 (00201541)
有馬 孝禮 東京大学, 農学部, 助教授 (10144057)
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キーワード | 非破壊検査 / 強度等級区分 / 建築用木材 / 国産材 / 乾燥 |
研究概要 |
それぞれ分担者による説明を要約すれば以下のようになる。 (1)木材の非破壊検査方法については、小荷重載加法、曲げ振動法、応力波法、打撃音法、AE法、画像処理法等が考えられる。しかしこれらの非破壊検査方法はそれぞれに一長一短があり、どの方法がわが国の実状に適した方法であるか決めることはできない。また日本における製材の形状が、北米やオーストラリア、ニュージーランドに比べ多種にわたること、強度よりは化粧性を重んずる傾向があることなどから、いくつかの方法の組合せによらなければならない可能性も存在する。 (2)ヒノキ、スギ等数種の樹種について、曲げヤング係数(MOE)、曲げ強度(MOR)、節径比等のデータを全国の試験場、大学から数千収集し、以下のようなことが分かった。〈1〉MORを推定する上で最良の説明因子はMOEである。しかしスギの心持ち材だけでは他の木材と異なる関係にあるらしいということ。〈2〉スギについてMOE、MORのおける地域特性の存在する。〈3〉このような全国レベルでのデータの収集は続けていかなければならない。 (3)(1)、(2)よりわが国における木材の非破壊検査方法、強度等級区分システムはわが国の樹種、形状、流通等実状にあった、わが国独自の廉価な方法、システムが必要であり、このことは早期に実現させなければならない。 (4)木材は生物材料であるため、他の材料に比べ含水率変化に伴う収縮・膨張が大きく、反りや割れを伴う。したがって木材を建築構造材として用いる場合、含水率の問題は避けては通れない問題である。特に本研究における機械的等級区分を行うためには製材の形状を測定しなければならず、等級区分以後の収縮や狂いによる形状変化を考慮した強度等級区分システムを考えなければならない。
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