研究課題/領域番号 |
63303002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
速水 醇一 京都大学, 教養部, 教授 (30025283)
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研究分担者 |
谷口 宏 九州大学, 工学部, 教授 (10037715)
諸熊 奎治 分子科学研究所, 教授 (40111083)
櫻井 英樹 東北大学, 理学部, 教授 (70025873)
丸山 和博 京都大学, 理学部, 教授 (90025263)
都野 雄甫 九州大学, 理学部, 教授 (10029845)
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キーワード | 基礎有機化学 / 反応性 / 反応性制御 / 構造 / 反応性相関 / 活性中間体 |
研究概要 |
平成元年度における本総合研究では、各分担者がそれぞれの分担課題について研究を行うと共に、それらの成果の報告と総合討論を行うために分子科学研究所において、班会議を行った。 本総合研究では、気相反応・液相反応を実験的に追求して反応種に内在する基準的性質に迫り、あるいは現実には据え難い反応種の姿を計算機実験によって追うなどの試みを行なう他、実験から、溶媒や第三物体を含む反応の場の追求を行った。有機合成化学者の重要な間心事である、分子内の位置選択性、立体選択性を理論化学のアプロ-チによって十分な精度で予測する研究成果も、本総合研究の中から生まれた。機能性色素の分子デザインに関する基礎的研究が理論化学、計算機化学からの試みとして、本総合研究の中から生れたことも特筆すべきであろう。 ある化学種の構造変化の効果が、分子構造のつながりの中をどの様にして反応中心に伝えられるかの検討は都野・三島、桜井等によって行われた。活性反応種の構造と挙動との相関の把握は、西田、岩村、桑島、西本、桜木,秋葉、谷口等によって行われた。反応種の間の相互作用の評価およびこれから進んで反応の選択性を予測する試みは、広田、諸熊、野依、花房、小野、奥山及び速水によって行われた。更に、去応場の本性を追求して新しい反応場を構築する試みは、丸山、安藤、稲津、浅野、大野によって行われた。これらの試みは本質的に互いに重なり合った論理的挑戦の上に成り立っていて、本研究班は討論の場としてまた積極的な提案の場として有効に働いた。 分担課題に関するやや詳細な研究経過及び成果を別冊の成果報告書に示した。班員の多くは、平成元年12月ホノルルで行われた。環太平洋化学会議に参加して、発表と討論を行った。また、IUPAC物理有機化学国際会議(平成2年8月、イスラエル)にも研究発表が行われる。
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