研究概要 |
本年度は流通に適したデータベース構造の設計、およびそれに基づいたホストコンピュータ用ソフトウェアの開発を中心に研究を進めた。具体的には以下のようになる。 1.標準データベース構造の設計 データベースの流通を効率よく行うために、データベースの構造は可能なかぎり単純なものとした。磁気テープおよび磁気ディスク用の2種類の標準構造(SDF:Standard Data Format)を設計した。SDFのレコードは可変長で、最大レコード長は29,986バイトである。1レコード中の項目数は最大9999で、項目長も可変が可能であり、最大長は29,976バイトである。文字コードとしては、1バイト系はEBCDIC,ASCII,2バイト系はJIS,JEFの使用が可能である。 2.ホストコンピュータ用ソフトウェアの開発 SDF形式のデータベースをホストコンピュータ(富士通M340,OSはOSIV/F4)上で構築、編集、変換などを行うためのプログラムを約50本作成した。使用言語はすべてフォートランである。ただし、サブルーチン・プログラムでは一部アセンブラを使用している。 約50本のプログラムの内訳は次のようになる。 (1)チェック:データの内容、形式、長さなどをチェックするプログラム群。各レコード中に必ず出現しなければならない項目や2回以上出現してはいけない項目、同時に出現しなければならない項目などのチェックを行う。 (2)変換:データのコード変換(約50種)、文字列の変換、数値から文字列への変換、新旧漢字コードの変換などを行うプログラム群。 (3)ファイル変換(編集):ワープロ入力によるデータファイルをSDF形式に変換、固定長ファイルからSDF形式、SDF形式から固定長ファイルへの変換、SDF形式からFAIRS(Fujitsu Advanced Information Retrieval System)入力形式への変換など、各種形式のファイル変換を行うためのプログラム群。 (4)マージ:ファイル、レコード、項目単位でのマージ処理を行うためのプログラム群。 (5)ソート:各レコード単位で項目をタグ番号順に並べかえたり、各項目中のデリミッタで区切られた文字列のソートなどを行うためのプログラム群。 (6)統計資料作成:レコード長の平均、最大値、最小値、各項目の出現回数などの基本的な統計データ、使用漢字頻度表、複数項目間の同時出現頻度表などの諸統計資料を作成するプログラム群。 (7)更新:ID項目をキーとしたデータの更新、項目単位での更新などを行うプログラム群。 3.SDF形式のデータベースをパソコン上で構築、利用するための概念設計を行った。
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