研究概要 |
化学療法と養子免疫療法を併用した臨床例について,通常調用量の1/3〜1/2に減量した化学療法(Cisplatin+5FU)を先行させ,その後活性化キラ-細胞(主にAlloーTLAK細胞)を動注法にて移人することにより抗腫瘍効果を観察した。今回,腫瘍細胞をin vitroにて抗腫瘍剤で処理することにより,キラ-細胞に対する感受性がどのように変化するのか,LAK細胞を使用して基礎的に検討した。腫瘍細胞はK562およびDaudiを使用し,それぞれCisplatin,Mitomycin C,Doxisorubin(ADM)で処理し,85%以上の細胞が存在している薬剤濃度をイ-ジ-リ-ダ-を用いたMTTアセイ法にて求めたこれらの薬剤膿度で腫瘍細胞を前処理することにより,LAK細胞による腫瘍細胞傷害活性が増強されることが観察され,基礎的にもChemoーimmuno therapyが有効な治療法となりうる可能性が示唆された。現在,自己あるいは同腫癌細胞との混合培養で誘導したATLAKあるいはAllo TLAK細胞を用いて自己癌に対する同様な検討を行っている。 一方,大量のリンパ球培養法として導入した回転式培養器(CRーtissue system)は細胞が凝集してしまう欠点があり,大量培養には不適格であった。今回検討したカワスミ社製ソフトフラスコ(KSF700)は,内容量700mlでシ-トにCO_2,O_2ガス透過性があり,通常のフラスコの2〜3倍の細胞密度で培養できる利点がある。無菌操作にも優れ,手間もかからず,細胞培養膿度を調整することにより細胞の回収率も良いことが判明した。
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