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1988 年度 実績報告書

チンパンジーの論理的思考に関する実験的研究ー具体的操作から形式的操作への移行ー

研究課題

研究課題/領域番号 63450017
研究機関京都大学

研究代表者

室伏 靖子  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (80027482)

研究分担者 藤田 和生  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80183101)
松沢 哲郎  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60111986)
キーワードチンパンジー / 数 / 条件性シンボリック・マッチング
研究概要

色の名前と、物の数をアラビア数字で答えることをすでに学習している1頭のメスのチンパンジー(アイ;推定年齢11歳)に、色を条件刺激として、集合の一部の物の数を数えることを訓練した。すなわち、ビデオの画面に呈示された赤と緑の積木の混在する異種刺激セットに対して、もし赤を意味する図形語で指示された場合は赤の積木の数を、もし緑という図形語で指示された場合は、緑の積木のみを数えて,それぞれに対応する数字を選択しなければならない。
訓練は積木3個、4個、5個と段階を追ってすすめられた。それぞれの段階において、赤と緑の可能な数の組み合せのすべてが含まれる1種類の刺激セットで訓練がはじまり、次に配列パタンの異なる新しい刺激セットを次第に加えて般化が試みられた。その結果、4個の刺激セットでは、新しい刺激セットに対する正答率は次第に上昇し、6種類めの刺激セットに対しては、第1セッションで訓練時と同様の高い正答率を示すに至った。しかし、5個の最初の刺激セットでは、特定の刺激パタンに対しての正答率の低下が生じ、学習基準に達するに10セッション以上を要した。2種類めの刺激セットへの正答率は、第1セッションで約70%であった。
以上の実験結果は、次の2点を明らかにした。1)チンパンジーは、2色の物の混合パタンである異種刺激セットに含まれるそれぞれの色の集合について。その数を正しく数えることができる。2)しかし、新しい刺激セットへの転移訓練の成績は、この高次条件づけの学習の法則が、未だ完全に学習されていないことを示唆している。

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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