マイクロ波空胴摂動法による相転移の高感度検出装置の開発 マイクロ波周波数カウンタ及び附属品を購入して、空胴摂動法による物性測定装置を開発した。その結果、試料空胴の共鳴周波数変化△^W/_WとQ値の変化△(^I/_Q)を同時に試料に接点をつけることなく温度の関数として高い精度で検出することが可能となった。(投稿準備中) 2.超伝導遷移の検出 高温超伝導体Y Ba_2Cu_3O_7-g粉末数mgrを用いて、マイスナー効果、抵抗変化のTcで異常を検出した。又、Bi-Sr-Ca-Cu-O系についても目下研究中である。 3.各種バナジュウム酸化物セラミックス系の相転移の検出 1)強弾性体BiVO_4において、150Kと250K近傍に今まで報告されていない1次の相転移の存在を見出した。(投稿準備中) 2)擬一次元導体Cu_2+xV_4O_<11>系で200K近傍での電荷揺動の異常を伴う相転移、及び300K近傍での金属一非金属異常を検出した。 3)正方晶系Cu_3VO_4での125Kでの構造相転移の存在を見出した。この相転移温度以下では、非磁性状態から磁気的状態になるのを見た。 4.新しいV^<4+>イオンを含む2次元伝導体MVnO_2n┣D2+┣D21┫D2系の作製と物性 M=Sr、Caについて、試料作製と予備的な測定を行った。 SrV_3O_7では、V^<4+>イオンのうち^2/_3は非磁性的状態を基底状態にもち、^1/_3は局在スピン状態にあることを見出した。結晶構造の特徴を考慮すると^2/_3の非磁性状態はバイボーラロンとは考えられる磁化率の温度変化を示し、^<51>V核のNMRの結果は、スピンのゆらぎの存在を示唆している。これ等の物質はS=^1/_2の2次元スピン系であることよりRVBモデルの立場から見直すことも必要と思われる。SrをLaに、CaをYに一部置換して、電子をドーブした系でも研究を進めつつある。
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