研究課題/領域番号 |
63460110
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電力工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 宗明 京都大学, 工学部, 教授 (20025828)
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研究分担者 |
山本 修 京都大学, 工学部, 助手 (70093333)
原 武久 京都大学, 工学部, 助教授 (20026214)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 真空 / 沿面放電 / 表面電荷 / スペ-サ効率 / 放電痕分布 / 火花化成 |
研究概要 |
荷電粒子加速を行う形式のパルスパワ-発生器の大容量化、小縮化を行うためには、荷電粒子発生用ダイオ-ドの電気絶縁を合理的に設計する必要がある。本研究は真空沿面フラッシオ-バの機構を解明して絶縁設計の手法を確立するために行ったものである。昭和63年度には円錐台形のモデルスペ-サを用いてインパルス電圧に対するフラッシオ-バ試験、電流測定、放電痕跡の分布の観察等を行った。平成元年度にはモデルスペ-サのスペ-サ効率を測定して、スペ-サの形による絶縁性能の変化を明らかにするとともに、そのフラッシオ-バ機構を、スペ-サの帯電現象を考慮した数値電界解析によって検討した。 昭和63年度の研究結果では、予備電圧の印加によってフラッシオ-バ電圧が顕著に上昇する、いわゆる火花化成現象の効果とその原因を明らかにした。これによって試験目的とは逆極性の電圧を予備電圧として用いる火花化成の方法を開発した。この方法によれば、信頼性の高い耐電圧特性が極めて簡単に得られる。 平成元年度研究結果では、スペ-サの高さhと頂角αとによってスペ-サ効率ηが変化することを明らかにした。すなわちαが特定の大きさ以上になるとηは90%以上になるが、そのαはhによって異なる。スペ-サ効率がαに依存する理由は陰極側接合部から放出される電子とスペ-サ表面との相互作用によって説明できた。すなわち、αが大きくなるときは電子はスペ-サ面に衝突しないが、αが小さいときはスペ-サに衝突するために表面が正に帯電する。正に帯電すると、陰極の電界が強められて電子放出を助長しフラッシオ-バ電圧を下げるので、ηが小さくなる。これらスペ-サの帯電現象についてはモンテカルロシミュレ-ションによって確認したものである。
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