研究課題/領域番号 |
63460126
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
江端 正直 熊本大学, 工学部, 教授 (40005319)
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研究分担者 |
中村 良三 熊本大学, 工学部, 助教授 (50094024)
渡邉 亮 熊本大学, 工学部, 教授 (50040382)
上田 裕市 熊本大学, 工学部, 講師 (00141961)
園田 頼信 熊本大学, 工学部, 教授 (70037836)
宇佐川 毅 熊本大学, 工学部, 講師 (30160229)
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キーワード | ピッチ弁別 / 信号検出 / 注意 / 資源配分 / 妨害感 |
研究概要 |
3成分から成る複合音を用いてピッチの弁別実験を行い、次のような結果を得た。音の継続時間は5msecから500msecまで変えている。継続時間50msec以下では、継続時間の減少と共に弁別限が小さくなるが、それ以上では一定となった。また3成分の基本波に相当する純音についても同様の検討を行った。継続時間とピッチ弁別を表わすグラフは両者とも50msec以下ではほぼ直線的に減少するが、その傾斜は複合音の方がゆるやかである。これは、複合音の方が一定の継続時間の中に入る波数が多いことによると考えられる。 次に、聴覚信号の知覚における注意力の効果を調べるために、音の提示時間が予め定められている場合と、いない場合について、音の検出実験、および弁別実験を行った。また、2つの作業を同時に行う実験も行った。その結果、信号検出および弁別を別々に行う場合には、提示時間が既知の方がかなりよい成績を示すが、同時に作業を行う場合にはほとんど差はなかった。これは注意の資源配分が効率よく行われていたことを示すものと考えられる。 さらに、2つの音声を同時に与え、一方のみに注目して聴く場合と、両方に注目して聴く場合の相違について検討した。両方に注意して聴取する場合には、片方のみに注目して聴くよりもかなり理解の低下がみられるが、チャンスレベルよりも十分大である。また、一方にのみ注目して聴く場合、理解の程度が高いほど他方の音の妨害感が小さいという興味ある結果が得られた。
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