研究課題
1.試料の収集:健常者の血清(新潟大学教職員1467名分。12〜13才小児555名分、グリコヘモグロビン分析用EDTA・2K、NaF入り463名分)、痴呆患者血清12名分。2.生体化学成分の分析:一般的な生化学検査項目35項目のデータをまとめた。これらの中から特に注目した項目は、(1)フルクトサミン、(2)グリコヘモグロビン、(3)アルカリホスファターゼ(ALP)の骨型と肝型アイソザイム、(4)血清アミロイドA蛋白(SAA)、(5)血清蛋白分画、(6)L_1-酸性糖蛋白である。3.分析結果:フルクトサミンには男女差が認められた。男性の加齢変化は認められないが、女性の40才と50才の間には危険率1%で有意差が認められた。グリコヘモグロビンのA_1及びA_1Cは共に加齢と共に上昇傾向が認められた。(3)ALPの肝型アイソザイムは、男女共加齢と共にほぼ同じように上昇したが、骨型は大きな男女差が認められた。男性の骨型は加齢と共に減少するが、女性は40才代から上昇し、65才がピークになった。SAAは健康人162名の調査で、20才代から50才代では変化なし。60才代に有意に上昇することが認められた。血清の電気泳動による蛋白分画を検討した結果、50才以上のL_1、L_2、β分画中の微量蛋白に加齢変化を示す成分のあることを推定した。〓4.まとめ:ALP、SAA、蛋白分画については報告書が作成された。また加齢についての研究方法等についてもまとめ新潟医学会で報告した。
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