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1989 年度 実績報告書

病理材料の研究材料化ー特に分子病理学研究への応用ー

研究課題

研究課題/領域番号 63480143
研究機関神戸大学

研究代表者

前田 盛  神戸大学, 医学部, 教授 (50030911)

研究分担者 堀尾 光三  神戸大学, 医学部, 助手 (90209289)
藤盛 孝博  神戸大学, 医学部, 講師 (30095385)
キーワードホルマリン固定 / 分子病理学 / 癌遺伝子 / DNAの断片化 / 遺伝子発現 / 培養 / モノクロ-ナル抗体
研究概要

昨年度の検討に引き続き、I.生存細胞、II.未固定細胞、III.ホルマリン固定細胞の各条件での病理材料の有効利用について検討を加えた。I.についてはヒト扁平上皮癌の増殖に胎盤上清が有効であることを確認し、更にどの成分が刺激作用があるのかを検証した。各種血液細胞増殖因子ではないことを確認後、HCGについて検討を行ない、全てではないが、主要な成分であることを確認し、更にフラクションに分けての検討を続行している。肺小細胞癌の増殖はL-cysteine、Transferrin、Bathocuproine disulfonate添加培養液が増殖刺激を持つことを確認し、特にL-cysteineが重要であることを確認した。II.については、各種条件の解剖材料からRNAの抽出法について検討を加えた。チオシアン酸グアニジン/塩化セシウム法、塩化リチウム/尿素法では充分な採取が得られず、Rupp、Lockerらのプロテイネ-スK/SDS化溶化・塩化リチウム沈澱法の変法が有効であった。III.については、DNA変性機序の検討を継続し、ホルマリンは抽出・純化DNAには殆ど変性作用が無いこと、再構成実験や電気的力のみによるDNA抽出法での検討から、抽出法での細断化でなく、抽出開始の時点で既に変性が起こっていることを明らかにした。低温固定、還流固定やEDTA添加で変性がブロックされることは、酵素作用、なかでも、DNaseの作用が重要であることが示唆された。低温でのホルマリン固定後、薄切、H.E.染色で顕微鏡観察したところ多少の微細構造の染色性に難点があるが、充分観察に耐える標本が得られた。また、ホルマリン固定組織を免疫原としてモノクロ-ナル抗体の作製に成功し、その利用範囲を広げた。
以上の如く、かなりの成果を挙げることが出来たが、これらの成果を細胞株化、遺伝子材料入手等に自由自在に行なうには更なる検討が必要であると思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.You,S.Maeda,S.Murao,R.Takahashi.: "Establishment and characterization of mouse leukemia cell lines L615K and L7212K derived from transplantable murine leukemia maintained in China." Japanese Journal of Cancer Research.80. 444-451 (1989)

  • [文献書誌] S.Kitazawa,S.Maeda,and T.Sugiyama.: "Immunocytochemical evaluation of abl-gene products in leukemic cell lines." Medical Oncology & Tumor Pharmacotherapy. (1990)

  • [文献書誌] A.Takenaka,S.Kitazawa,S.Maeda,T.Kamidono.: "Monoclonal antibodies to human germ cell tumors from“Routine"paraffin-embedded pathological specimens." Histochemistry.

  • [文献書誌] 武中篤,北沢荘平,小山隆司,平山大介,藤盛孝博,後藤章暢,郷司和男,前田盛,杉山武敏,守殿貞夫: "デスモゾ-ム関連34KD蛋白を認識するモノクロ-ナル抗体の作製と膀胱移行上皮癌の悪性度に関する免疫組織学的検討" 日本泌尿器学会雑誌. 80. 1769-1775 (1989)

  • [文献書誌] 徳田勇: "ホルマリン固定材料におけるDNA変性機序と診断への応用の試み" 神戸大学医学部紀要.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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