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1988 年度 実績報告書

本態性高血圧の発症における諸種Naの利尿因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 63480195
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

猿田 享男  慶応義塾大学, 医学部内科, 教授 (70051571)

研究分担者 竹中 恒夫  慶應義塾大学, 医学部内科, 助手 (90179656)
今福 俊夫  慶應義塾大学, 医学部内科, 助手 (40160056)
鈴木 洋通  慶應義塾大学, 医学部内科, 講師 (80129494)
キーワード本態性高血圧 / Na利尿因子 / レニン・アンジオテンシン系 / 食塩負荷
研究概要

本態性高血圧(EH)の発症には腎からのNa・水排泄の低下が何らかの役割を果たしていると考えられているが、その詳細は明らかでない。本研究ではEH患者にNaClを急性に負荷した場合と、経口的に徐々に付加した場合とで、Na排泄が健常者(NT)に比し低下しているか否かを検討するとともに、NaCl負荷に伴う腎機能、血圧および諸種内分泌因子の変化を検討して、EHの発症に果す腎の役割を明らかにすることを目的とした。
本年度はEH患者12名(平均年齢52±2才:M±SD)と同年令のNT7名を対象とし、生理食塩水を1,500ml/3時間の速さで注入した際のNa排泄量と、腎機能、血圧および諸種Na調節因子の変化を比較した。
食塩水負荷後、EH群NT群とも尿中Na排泄の増加を認めたが、両群間に有意差をみなかった。血圧には変化がなく、糸球体濾過率(GFR)、心房性Na利尿ペプチド(ANP)等のNa利尿因子、レニンおよびアルドステロンは減少したが、EH群とNT群では差がみられなかった。しかしレニンの高めのものではNa利尿がつきにくい傾向であった。そこでレニンの高さで2群に分けて検討してみると、レニンの高いEH群では食塩水負荷後GFR、尿中ドーパミンおよびANPの増加度が悪いことが判明した。また低レニン群では、尿中ドーパミンが増加しやすいものほどNa排泄が亢進していた。そこでこのEH群にアンジオテンシン変換酵素阻害薬を投与した後、同様の負荷試験を行ったところ、高レニン群ではNa排泄が良好となった。
以上のように今年度の検討では、EH群のうち食塩水負荷でNa利尿がつき難いのはレニンの高目のものであり、レニン・アンジオテンシン系の活性状態とANPやドーパミンの増加度の悪いことがEHにおけるNa排泄低下の一因ではないかと考えられた。今後慢性Na負荷での検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 古川智洋: 慶應医学. 66. 351-366 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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