研究課題/領域番号 |
63480396
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大庭 紀雄 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50010070)
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研究分担者 |
鵜木 一彦 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60193926)
伊佐敷 靖 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70168160)
鮫島 宗文 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80041333)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | ミトコンドリア異常 / 呼吸鎖酵素 / モノクロ-ナル抗体 / 網膜 / 筋緊張性ジストロフィ / 網膜色素変性症 / ミトコンドリアDNA / レ-ベル病 |
研究概要 |
眼科領域におけるミトコンドリア(mT)とその異常について、基礎的および臨床的研究をさまざまな側面から行なって、以下の成果をあげた。 1.チトクロ-ムCオキシダ-ゼに対するモノクロ-ナル抗体の作成と網膜組織化学:標準的方法によってモノクロ-ナル抗体の作成に成功した。ヒト網膜における局在を調べると、視細胞層ことに錐体視細胞内節および視神経細胞層に豊富にあることが明らかにされた。 2.網膜におけるミトコンドリア(mT)酵素活性:サル網膜からmTを抽出して呼吸鎖酵素群の活性測定を試みた。組織タンパク量当たりの活性は黄斑部を含む後極部網膜で最も活性が高いことが判明した。mT網膜症の好発部位との関連から興味ある知見である。 3.筋緊張性ジストロフィの眼徴候、mT酵素活性:この疾病には白内障、網膜変性のほかに脈絡膜皺襞が合併することを記載した。さらに、外眼筋にもmT異常が発生することを生化学的および組織化学的に証明した。そして、ミトコンドリア網膜症(mitochondrial retinopathy)の新概念を提唱した。 4.眼科領域疾病におけるミトコンドリアDNA(MtDNA):網膜変性を合併するKearnsーSayre症候群、進行性外眼筋麻痺でMtDNAに欠失することを確認した。全身異常を合併しなく、かつ遺伝形式が不明の網膜色素変性症でも検討した欠失は認めなかった。遺伝性視経畏縮(レ-ベル病)ではMtDNAの11778番に点突然変異のあることを確認した。 5.網膜色素変性症に対するイデベノン療法:ミトコンドリア酵素賦活剤であるイデベノンを投与すると、網膜色素変性症の中心部視野機能が改善することを統計的に示唆する資料をえた。この場合、投与を6か月以上持続してはじめて効果が出現することが示唆された。
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